金沢城石垣構築技術等比較研究(21年度)
事業概要
本事業は三年目に入り、客員研究員の委嘱(2年ごとに更新)を行ったあと、研究打合せ会議、シンポジウム、石垣遺構の現地調査、石垣伝統技術の個別研究、石垣普請関連の絵図・文献調査、石垣遺構の分類編年に関する研究などを実施した。
主な成果
- 10月23~24日に研究員会議および遺構班・文献班合同の現地調査を行った。会議において長屋氏、宮里氏が研究報告を行った。また福井城跡、笏谷石採掘跡などの現地調査も実施した。
- シンポジウム「天下普請にみる石垣技術」を平成22年2月6日(土曜日)、石川県文教館ホールで実施し、基調講演(講師:東北芸術工科大学准教授 北野博司氏)、報告(講師:別府大学教授 白峰旬氏、佐賀県教育庁社会教育・文化財課 市川浩文氏)及びパネルディスカッションを行った。参加者は250名。
- 全体的な研究テーマをふまえて個別研究をすすめた。白峰研究員、長屋研究員、宮里研究員の研究成果は、研究紀要『金沢城研究』第8号に収載した。
- 石垣普請関連の絵図・文献調査では、竹田市歴史民俗資料館(岡藩中川家)、熊本大学附属図書館(熊本藩細川家文書)、山口県文書館(徳山藩毛利家文書)、湯浅家(山口県)、岩手県立図書館(「石垣組立秘伝」等)、盛岡市中央公民館(盛岡藩南部家文書)において、石垣構築に携わった穴太や石垣技術に関する史料を調査した。
- 遺構調査は、戸室石切丁場、七尾城跡(4月29~30日)、二条城跡、篠山城跡、篠山城石切丁場、栗栖野・当野丁場(6月26~27日)、伊賀上野城跡、津城跡、宇陀松山城跡(12月18~19日)、和歌山城跡(2月26~27日)を対象に共同調査を実施し、石垣構築技術の普遍的特徴と地域性について認識を深めた。
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