石垣構築技術等の調査(20年度)
戸室石切丁場確認調査
今年度から戸室石切丁場の史跡指定を目標に5カ年計画で着手した。近世後期に石切丁場の中枢となっていた戸室山北部域(田島、清水地区)を対象に、詳細地形測量を実施するとともに、考古、文献、民俗、地質等、幅広く調査研究の内容を掘り下げることを目指すものである。今年度は、詳細地形測量、地質岩石・絵図文献・石工道具の調査等を実施した。
主な成果
- 現況地形測量は、主に田島地区の「殿様丁場」周辺を対象に実施した。面積は約8haであり、石材採掘跡の窪みや平坦地等を詳細に測量した。
- 地質岩石調査は、露頭の詳細調査による、地質学的・岩石学的調査を実施した。また、城内石垣及び石切丁場の露頭で岩石の帯磁率を測定し、地域ごとの特性を調査した。
- 絵図文献等の調査は、区有文書や地籍図等の所在調査に着手した。
- 石工道具の調査は、鷹巣石(金沢市瀬領・相合谷地内、城内の排水溝等で使用)の採掘に使用されていた石工道具の調査等を実施した。
(布尾幸恵「金沢市内の凝灰岩石工道具調査報告-戸室石石工道具の比較-」『金沢城研究』第7号掲載)
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