金沢城石垣構築技術等比較研究(23年度)
事業概要
事業の最終年となる本年は、石垣遺構の現地調査、石垣伝統技術の個別研究、石垣普請関係の文献・絵図調査、石垣の分類編年に関する研究等を進めるとともに、5 年間の研究の集大成となるシンポジウム及び報告書刊行に向け、客員研究員との打合せ会議を実施し、成果のとりまとめを行った。
シンポジウムは、平成24 年3 月3・4 日に「城郭石垣の技術と組織を探る-金沢城と諸城-」と題して実施し、3 月末に報告書「城郭石垣の技術と組織」を刊行した。本事業は三年目に入り、客員研究員の委嘱(2年ごとに更新)を行ったあと、研究打合せ会議、シンポジウム、石垣遺構の現地調査、石垣伝統技術の個別研究、石垣普請関連の絵図・文献調査、石垣遺構の分類編年に関する研究などを実施した。
主な成果
- 遺構班は4 月17 日、7 月24 日に打合せ会議を、文献班は5 月21 日に現地調査を兼ねた打合せ会議を行い、9 月19 日には合同の研究会議を実施して、シンポジウム及び報告書刊行に向けた打合せ、研究報告・討論を実施した。
- 石垣普請関連の文献・絵図調査では、大阪城天守閣(「大坂城御普請之時諸大名衆被請取候町場割図」、「大坂城丁場附図」「江戸天守台之図」)、大阪歴史博物館(佐藤恭敏家文書)、三井文庫などにおいて、石垣構築の技術や組織等に関する史料を調査した。
- 遺構調査は、城郭石垣の発生過程について知見を深めることを目的として、16 世紀後半の石垣が確認されている小牧山城(12 月2 日)、岐阜城( 12 月3 日)を対象に共同調査を実施した。
- シンポジウムは「城郭石垣の技術と組織を探る-金沢城と諸城-」と題し、平成24 年3 月3・4 日、石川県文教会館ホールで実施した。参加者は約600 名。
- 5年間の調査成果の報告書として、『城郭石垣の技術と組織』を刊行した。
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