金沢城石垣構築技術等比較研究(19年度)
金沢城を核とする城下町金沢に蓄積された穴生・石工の伝統の技を解明し、金沢城のお石垣技術の価値を明確にする全国規模の調査研究事業であり、今年度から開始した。今年度は、客員研究員の委嘱、研究員会議、シンポジウム、研究資料集の刊行を行った。
また、石垣遺構の分類編年に関する研究、石垣普請関連の絵図・文献調査、客員研究員の伝統技術に関する個別研究に着手した。
主な成果
- 下記の5名を金沢城石垣構築技術等比較研事業の客員研究員に委嘱し、研究課題の内容、進め方等について話し合った。
- シンポジウム「金沢城と伝統技術」を平成19年10月6日(土曜日)、石川県文教会館ホールで実施し、講演「建築史からみた金沢の伝統技術」(講師:京都造形芸術大学教授 中村利則氏)とパネルディスカッションを行った。参加者約300名。
- 研究資料集『金沢城石垣構築技術史料1 』(金沢城史料叢書7)の刊行。
- 遺構班は、大坂城跡(10月7日・8日)・名古屋城跡(12月23日・24日)、熊本城跡(1 月19日・20日)を対象に共同調査を実施した。大坂城跡や名古屋城跡の石垣は、慶長~寛永期にわたる天下普請により築かれたものであり、全般的な変化の傾向や、前田氏丁場の技術変化等について検討した。
また一方で、肥後加藤氏の丁場のように、先進的かつ地域色の濃い事例も確認され、熊本城跡の調査では、金沢城跡との比較を念頭に置き、石垣構築技術の地域性・系統性について認識を深めた。
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