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昨年度に引き続き以下の調査を行った。
石材供給・石垣構築体制を解明し、石垣構築技術の復元に資するため、戸室石切丁場の分布調査、並びに戸室石切丁場のうちキゴ山西麓の丁場跡3地点において確認調査を実施した(戸室石切丁場の分布と変遷の図)。
金沢城初期(文禄・慶長~元和、16世紀末~17世紀前葉)の石切丁場は、金沢城に近い戸室山西方の低丘陵地から戸室山西麓に分布する可能性が高く、その後低丘陵地から戸室山の奥地へ進出、拡散し、最終的に戸室山北部へ集約したと想定される。
キゴ山西麓に所在する寛永年間(1624~1644)の丁場跡で、採掘坑の試掘・測量調査を実施し、原石から石材に仕上げるまでの石割工程等を確認した。この結果、小規模な採掘坑から数個単位で石材が切り出されていることが明らかになった。
原石や加工途中の石材に小型刻印が見られることを確認した。石材生産の場での現場管理や作業分担を示すものと推定され、刻印のもつ意味の再検討を迫る資料として注目される。
石材採取・加工に係る石工技術の聞き取り調査、石工道具の記録調査を実施した。
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