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金沢城の石垣は、どのような工人たちが、どんな技術を用いて作ったのか、またその石材はどのように供給されたのか、などの疑問に答えるため、(1)石材供給の可能性のある県内の石切丁場についての調査、 (2)金沢城に大量に石材を供給した戸室石切丁場の調査、 (3)石工の使用していた道具についての調査、(4)古い石工技術を伝える石工からの聞き取り調査などを行った。
(1) 県内石切丁場の分布調査では、県内の石切産業と石切場の概要を把握するため、市町村職員等の協力を得て、県内各地の石切丁場を対象に、所在・石材・時期・用途等を整理し、調査カード(約140枚)を作成した。
(2) 戸室石切丁場については、従来は分布が希薄であった戸室山西麓域を重点的に踏査し、新たに7ヶ所の丁場(総数17ヶ所)を確認した。中には城内の元和期・寛文期の石材を残す丁場跡が含まれ、保存状態も良好であった。
(3) 石工道具の調査は、金沢市民俗文化財展示館所蔵の石工道具約370点について、目録作成に着手した。このうち石切丁場で使用されていた代表的な鉄製道具40点については、実測図を作成した(一部委託)。
(4) 聞き取り調査については、戸室丁場での調査が予想以上に困難であることが判明したことから、町石工の石材加工技術の聞き取り調査から着手した。戸室丁場の聞き取りについては、引き続き可能性を探る。
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