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文政3年(1820年)
個人蔵 金沢市
重要文化財 平成15年12月25日指定
志摩は、金沢城跡の北東、浅野川大橋北橋詰めに隣接する東山1丁目にある。
文政3年(1820年)の茶屋町創設当初に建設された、木造2階建(一部3階)、切妻造、桟瓦葺の茶屋建築である。1・2階の座敷廻りには、要所に面皮柱を用い、全体に濃い色づけをほどこし、弁柄色の土壁や具象的な図案の金物等で、独特の瀟洒(しょうしゃ)で華やかな室内をつくる。
茶屋町の佇まいをよく残す、金沢市東山ひがし重要伝統的建造物群保存地区の中心に位置し、保存状態が良好で、「ひがし」に残る茶屋の典型を示す遺構として重要である。
全国的にも類例の少ない茶屋建築であり、江戸時代後・末期における庶民文化の一端を知るうえでも貴重な建物である。
天保2年(1831年)頃
個人蔵 輪島市
重要文化財 平成15年12月25日指定
上時国家は、中世以来奥能登地方に強大な勢力を誇った旧家である。近世には奥能登にあった幕府領の大庄屋をつとめた。
上時国家住宅は、天保2年(1831年)頃、現在地に屋敷を移し、主屋をはじめとする諸建物は、安政4年(1857年)頃までに完成したと考えられる。
西面して建つ主屋は、桁行29.1m、梁間18.1mの大規模な建築で、入母屋造、茅葺の身舎の周囲に桟瓦葺の庇を廻らした形式である。主屋の北方には、土蔵造、平屋建の米蔵、北西には細長い2階建の納屋がある。
上時国家住宅は、奥能登における村落支配の拠点となった特権的な家の住居で、主屋は大型の民家が多い北陸地方にあっても最大級の規模を有している。
手の込んだ造りの室内の造作や座敷飾りとともに、土間廻りに豪壮な梁組をみせ、江戸末期の民家の一つの到達点を示す遺構として重要である。
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