建造物の調査(25年度)
城門の総合調査
事業概要
平成18 年度から金沢城内の城門について、門の総数、配置に加え、それぞれの構造、規模、役割等の解明を行ってきた。本年度は、本調査をまとめるにあたり基本的な作業となる金沢城の城門の一覧表の書式を定め、表中の主要項目の1つである各城門の形式の分類方法の検討を行った。また、石垣上に築造された金沢城の櫓門と比較対照するため、土塁の上に建てられた弘前城の櫓門について現地調査を行った。
主な成果
- 弘前城は大部分が石垣ではなく土塁で構成され、石垣を伴わない櫓門が5棟現存しており、総ての櫓門について内・外部にわたる調査を実施することができた。その結果、土塁を主とする城郭の櫓門に関する特徴について、石垣の城郭とは異なった貴重な知見が得られた。
建造物の基礎的調査
事業概要
金沢城建造物の技術・意匠の検討、加賀藩の御大工に関する基礎的調査等を行った。調査成果については、紀要等で随時公表している。
主な成果
金沢城移築建造物に関する調査
- 尾山神社(金沢市尾山町)東神門の現地調査を行い、旧二ノ丸表式台脇唐門の文化度の再建工事に関する文献記録と比較し考察した。その結果、旧二ノ丸表式台脇唐門(文化度)に関する文献の記述と一致する点、または記述を裏付けられる点が、現状の東神門にも認められることを明らかにした。
加賀藩内の大工に関する基礎的調査
- 藩内に建仁寺流の大工流儀を持ち込んだとされる加賀藩お抱え大工を代々勤めた山上家がかつて所蔵し、現在は京都国立博物館で保管されている山上家文書所収の5通の印可状を仔細に比較し、その他の状況と合わせて考察した。
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