建造物の調査(16年度)
1 尾崎神社の総合調査

本年度は、本殿を中心として実測、飾金具、彩色・漆塗の現地調査を行った。
また、全国の東照宮に関する情報収集も、昨年度に引き続き行った。調査の結果については、平成17年度に報告書としてまとめる。
主な成果
- 本殿は、雪囲いを外し内陣の中まで立ち入り、実測、写真撮影を行った。妻の外観や内部の装飾等が詳細に把握できた。
- 実測調査中に本殿天井裏から、昭和の解体修理工事の際に交換された旧部材を発見したので、石川門旧部材の調査に準じてカード化し記録した。
- 他地域の東照宮との比較では、仙波東照宮(埼玉県川越市)は尾崎神社と非常に共通点が多いこと、幕府大工頭木原義久が、1654年以前の地方の東照宮の計画の多くに関わっていたことを確認した。
2 建造物の基礎的調査
石川門に関しては、平成17年度から実施予定の保存修理工事に先行して実施されている調査工事と連携し、内部構造を観察し記録した。
鶴丸倉庫に関しては、平成15年9月に鶴丸倉庫と成巽閣土蔵の調査、平成16年に詳細調査を行った。
主な成果
- 石川門附属太鼓塀の調査工事により内部構造を観察し、塀の親柱は、昭和の補修で取り替えられたものも多かったが、控柱との間を繋ぐ貫を止めた当初のほぞ穴が残っているものを確認できた。
- 鶴丸倉庫については、床下換気口に特殊な蓋を使っていたこと、外壁腰の石貼りが金沢城の城郭土蔵と共通する意匠であったことが判明した。
- 鶴丸倉庫に関して平成14年度から16年度までの間の調査成果を中間報告としてまとめた(『金沢城研究』第3号に掲載 )。
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