建造物の調査(23年度)
城門の総合調査
事業概要
平成18 年度から金沢城内の城門について、門の総数、配置に加え、それぞれの構造、規模、役割等の解明を行うこととしている。本年度は、橋爪門に関連して、他城の袖石垣を持たない形式の櫓門について、現地調査を実施し、本形式の構造上の特色等を検討した。また、石川門の支輪等に関する検討を行った。
主な成果
- 姫路城菱ノ門の調査を実施した。
- 金沢城内でも、支輪を持つ城門は三御門に限定されていたことが判明した。
建造物の基礎的調査
事業概要
これまでに引き続き、金沢城建造物の技術・意匠の検討、加賀藩の御大工に関する基礎的調査等を行った。調査成果については、紀要等で随時発表している。
主な成果
加賀藩内の大工に関する基礎的調査
- 藩内の大工が手がけた社寺建築及び藩御大工の残した大工技術書を対象とした調査等を行っている。本年度は、これまでの大工史料の検証から、次のような成果が得られた。
- 清水文庫所収の『御大工知行帳』及び渡部家文書の『累代系図』等の計5史料を中心に実際に史料の検証を行った、これまでの成果をまとめた。各史料の信頼性を明らかにするとともに、清水文庫所収の史料を利用する際の留意点を明らかにした。
- これまで行ってきた藩御大工頭の就任状況及び御大工黒田家に関する考察成果を基に、江戸前期から中頃までの加賀藩内の大工流派の盛衰について明らかにした。
その他
- 金沢城の城郭建築物の保存修理に資する事例を得るため、姫路城大天守の保存修理工事の状況を実地に調査した。
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