建造物の調査(24年度)
城門・御殿の調査
事業概要
平成18 年度から金沢城内の城門について、門の総数、配置に加え、それぞれの構造、規模、役割等の解明を行う予定である。本年度は、工事の進捗に合わせて橋爪門跡の現地調査を行ったほか、関連城郭である富山城の史料調査、及び本丸虎口・千歳御門の現地調査も実施した。
主な成果
- 金沢城橋爪門跡では、地盤高、建築位置を現地で視認した。
- 富山城の城門に関する史料が数種類保管されていることを確認したほか、城跡を管理する富山市の担当者から、本丸虎口の構造や千歳御殿の概要などを聴いた。
建造物の基礎的調査
事業概要
これまでに引き続き、金沢城に関連する建造物の技術・意匠の検討、加賀藩の御大工に関する基礎的調査等を実施している。また、調査成果については、紀要等で随時公表している。
主な成果
加賀藩内の大工に関する基礎的調査
- 藩藩内の大工が手がけた社寺建築及び藩御大工の残した大工技術書を対象とした調査等を行っている。本年度は、これまでの大工史料の検証から、次のような成果が得られた。
- 加越能文庫所収の『前田貞幹手記』延享3年(1746)9月28 日条に、御大工子弟の江戸遊学を許可したとする記述が、文献調査により発見された。これを受け、建造物調査では、これまでの通説とは異なった加賀藩お抱え大工と大工流派の関係を指摘し、本記述がもたらした重要性を明らかにした。
その他
- 加賀藩士屋敷地跡に建つ西方寺の寺門に、武家屋敷門との伝承があったので実地に調査した。藩政期の建築ではないようであるが、後の知事公舎時代の遺構である可能性が指摘された。
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