建造物の調査(19年度)
1 城門の総合調査
平成18年度から23年度までの6か年に渡り、金沢城内の城門について、それぞれの建築構造、変遷規模、役割等の解明を行うこととしている。
本年度は、昨年度に引き続き、河北門及び石川門に関する図面について重点的に調査を行った。
主な成果
- 新たに発見された河北門ニノ門の平面図と思われる図面について、これまでの知られている史料との比較検証を行った。
- 石川門や河北門の土塀に関係する大工技術書(雛形図集)『造作弁図解』(金沢市立図書館蔵)と『来因略記』(石川県立図書館蔵)に関する検討を行った(研究紀要『金沢城研究』第6号参照)。
2 建造物の基礎的調査
これまでに引き続き、金沢城土蔵(鶴丸倉庫)の追加調査、加賀藩の御大工に関する基礎的調査を行った。
主な成果
- 金沢城土蔵の文化財的価値を明らかにするため、2階に残っている造付の棚の痕跡に関する追加調査等を行った。その結果、棚の造作に使用された角釘が遺存しており、比較的早い時期から、棚が存在していたこと等が分かった。
また、文献調査担当の協力により、来歴調査を行ったところ、弘化4年(1847)2月に着工し、嘉永元年(1848)1月に竣工したことや、武具保管を目的に創建されたことなどが明らかとなり、重要文化財の国指定に向けてより文化財としての価値が高まった。
- 藩内の大工が手がけた社寺建築及び藩御大工の残した大工技術書を対象とした調査等継続して行った。
本年度は、前述の『造作弁図解』と『来因略記』の比較検討のほか、寛永期に創建された那谷寺(小松市)三重塔について、保存修理に合わせて現地調査等を行った。
<- 平成18年度の成果 平成20年度の成果 ->