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今回は、前回に引き続き、寧波阪急百貨店で開催している伝統工芸品の展示販売イベント「いしかわフェアin寧波阪急」(フェア期間は2022年12月17日から2023年3月19日まで)の様子をお送りします。
■中国消費者の伝統工芸品に対する反応
イベント告知について、事前にWeb広告や記事、SNS等で広く周知していたこともあり、来店されたお客様は商品を手にとってじっくりと眺めたり、POPを読んだり、スタッフへ質問したりと、目的を持って来られている方を多く見かけました。中でも、金箔が施されている商品は人気が高く、売り切れとなってしまうものもありました。ハレの日用やギフト用としてセット買いやまとめ買いを希望される方や、次回納品時用に注文を入れるお客様の姿もありました。そのような中、中国では金箔を食器用に使用されることはあまりありませんので、取り扱い上の注意点や洗い方等について、スタッフの方から説明をして頂くようお願いしました。
また、九谷焼も中国では知名度があり人気でした。最近では、安価な九谷焼が中国のECサイトでも販売されていることから、今回は、作家さんの商品や豆皿・お猪口セットなどのセット商品を中心に揃えました。序盤の方は単価の安いものが売れていきましたが、後半になるにつれ、高額品の一点物商品も購入して頂けるようになってきました。こちらは、やはり九谷焼の特徴、他の焼き物等との違いを工夫して見せるとともに、絵付けや窯焼きの工程等をオンラインで現場から実況してもらう、という取り組みも行いました。
一方で、輪島塗や山中漆器等の漆器は、中国であまり馴染みがないこともあってか、少し販売が伸び悩みました。特に、木製のものをお椀や皿など食器として使用するという習慣がないため、お客様からは、「汁物を入れても大丈夫なのか」「漆塗りのものを口につけても良いのか」といった質問が寄せられました。とはいえ、モダンなデザインやカラフルな色合いのものは早い段階で売れていたのも事実なので、少し時間はかかるかもしれませんが、食器としての安全性をきちんと明示した上で販売を行えば、需要を取り込んでいくことも可能かと思います。
お客様の本県の伝統工芸品に対する全体的な評価としては、「手作りの繊細な絵柄が素晴らしく、本物の凄みが伝わってくる」「作っている現場を訪れてみたくなった」という声に代表されるように、そのデザインや装飾性が高く評価されておりました。
■オンライン工芸体験
本来であれば、作家さんや製造・販売事業者の方に中国までお越し頂き、お客様に直接ご説明頂いたり実演して頂くのがPRに最も効果的ですが、あいにくまだ渡航制限が厳しいため、今回は、現場と寧波阪急を繋ぐオンライン工芸体験を実施しました。
内容は、初心者や子供でも取り組みやすく、安全なものをということで、金箔貼り体験と水引体験(入門編・ステップアップ編の2種類)を用意しました。対象は、寧波阪急のVIPであるプラチナ会員(年間消費額500万人民元(約1億円)以上)に絞り、1回当たりの人数を限定した上で、同じ内容を複数回実施し、上質なお客様が参加しやすいように設定しました。講師は、それぞれ今回の出展者の中からご協力を頂きました。オンラインかつ通訳を介してであったため、やりづらかったと思いますが、丁寧に指導して頂き、感謝申し上げます。
金箔貼り体験では、お試しの取り組みで「微博(weibo。中国版facebook)ライブ配信」を行ったところ、有名なインフルエンサーも拡散してくれたおかげで、約15万人もの視聴者を集めることができました。多くの人に、金箔や金沢のことを知ってもらうきっかけになったのではないかと思います。
水引体験では、始めは、皆さん手先での細かい作業に戸惑い苦労されていましたが、何回か練習をするうちにすぐに慣れていき、最後には、とてもきれいな「あわじ結び」や「梅結び」のストラップ等を完成させていました。最初はなかなか簡単にはいかない分、きれいな作品が出来上がったときは、とても嬉しそうな笑顔になって写真を撮ったり、身に着けたり、講師の方に得意げに見せている姿が大変印象的でした。
今回講師をして頂いた方の中には、「中国人の方が楽しそうに作っている姿を見て嬉しくなった。個人的にも中国への関心がより高まった」と話されておりました。
このような工芸体験は、教える側も参加する側も、お互いの国の伝統や習慣に対する理解を深め、そして美しいものには感動する、ということを再認識させてくれる、そんな機会になると改めて感じました。
今後もこのような機会を創出しながら、石川県の工芸品ファンを増やしていきたいと思います。
(写真1:展示商品をじっくりと見るお客様)
(写真2:展示商品を直接手に取って見るお客様)
(写真3:金箔貼り体験の様子)
(写真4:水引体験の様子)
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