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早いもので上海に戻って1ヶ月強が経過し、ふたたび現地の環境に馴染みつつある今日この頃。渡航隔離明けの8月中旬は日本と同様に猛暑で連日40度近い日が続きましたが、2週間の完全閉鎖空間から外へ出られる喜びはひとしおです。今号では、現在の上海の様子についてお伝えしたいと思います。
■日常を取り戻した上海
日本に一時帰国中も、現地の方々から、上海は4月頃から正常な生活に戻りつつある旨を聞いておりましたが、隔離明けに外に出てみると、確かにコロナ前に近い日常の光景が広がっていました。多くの商店や飲食店は通常通り開店しており、地下鉄やバス等の公共交通機関は正常に運航され、街には多くの人々が行き交っています。緊急帰国前の2月、外には人っ子一人おらず、ゴーストタウンのようだった状況を思い返すと、隔世の感を禁じ得ません。
マスクなど以前は現地で全く手に入らなかった品もずらりと店頭に並んでいます。猛暑ということもあり、外でマスクをつけている人は半数くらいですが、人が密集する地下鉄などの公共交通機関や屋内ではほぼ全ての人が着用しており、着用していないと係員から注意されます。なお、外している間はマスクを腕(肘あたり)につけている中国人が多く、「上海スタイル」と呼ばれることもあるようです。
以前はなかった防疫の仕組みも各所で見受けられます。例えば、上海事務所が入っている国際貿易センタービルでは、ビルの入り口にサーモグラフィーカメラ、エレベーター前には顔認証ゲートが新たに設置されており、ゲートを通過するためには事前にスマホアプリ等で手続きをしておく必要があります。また、省・市毎に、スマホを利用した健康QRコード「随申码」の運用がされており、GPSや購入履歴等を通して、個々人の渡航歴や感染者との接触歴等に応じてQRコードの色が変化し(緑・黄・赤)、オフィスビルや商業施設等の入館の際にチェックされる仕組みとなっています。これらのICTを活用した防疫対策も、中国がいち早く日常を取り戻した一つの要因となっていることが体感されます。
■市内の小売店
上海では、コロナの影響で閉店を余儀なくされる店舗も少なくない一方で、新店オープンも続いており、コロナ後においても留まることをしらない新陳代謝の速さが窺えます。
7月23日には、家具量販チェーンのイケア(IKEA)が、上海中心部の静安寺エリアに市街地型店舗をオープンしたほか、翌24日には、日本国内でも中国人旅行客に人気の雑貨店ロフト(LOFT)が徐家匯地区の商業施設内に初の海外直営店をオープンしました。また、カジュアル衣料品や生活雑貨の「ニコアンド(niko and)」は、昨年12月に黄浦区に1号店を開業したばかりですが、早くも今年12月、静安区に2号店を開業することを発表しております。これらの店は、オープン日の長蛇の列が現地メディアにも取り上げられ話題になるとともに、以降も週末など連日多くの客で賑わっております。
中国全体では、消費意欲の低迷などにより、小売売上高は前年同月比1.8%減(6月)、1.1%減(7月)と微減が続いている状況であり、また、EC市場の急拡大により店舗販売は苦戦しているところも多いなか、上海の中心部では一部のブランド力のある小売店舗の出店攻勢が続いております。新たな風を吹き込み健闘しているこれらの小売店の状況を今後も注視していくとともに、中国における県産品の販路開拓の一環として、有望な小売店があれば、新たなコラボレーションの可能性を探っていきたいと考えております。
(写真1:上海市内(外灘)の様子)
(写真2:新たに設置された顔認証ゲート)
(写真3:客で賑わう市内の小売店)
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