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中国での生活の中で印象的なことの一つに、電動バイクとシェアリングサイクルの多さが挙げられます。一昔前の中国は、数え切れないほどの自転車が道路を埋め尽くしている光景が日常的であったかもしれませんが、今やすでに過去のものとなっています(上海以外の都市では分かりませんが・・・)。今でももちろん自転車は走っておりますが、その多くはシェアリングサイクルに置き換わり、また、電動バイクが自転車に代わる移動手段として活躍の場を広げております。
■電動バイク
電動バイクが普及している背景の一つに、免許が不要で車庫を借りる必要もない手軽さと、比較的安価に購入できることから、導入・維持費用を抑えられることが挙げられます。あくまで自転車と同じような扱いなので、その手軽さゆえに多くの人が使用するようになりましたが、一方で、法整備や交通ルール等が未整備であったため、交通事故や違反が絶えないという問題点がありました。そのため、上海市では、2019年4月からバイクの仕様や交通ルール等に関する規定の改正が行われました。
主な内容は、
・ペダルとチェーンが付いていて漕げるようになっていること
・制限速度25km/h、重量55kg以下
・ナンバープレートの取得、所有者登録の義務
・ヘルメットの義務化、二人乗り禁止(12歳以下の子供は可)
などです。このサイズ以上になると、分類が変わって運転免許等が必要になります。バイク本体は、専門店の他、淘宝(タオバオ)などECサイトでも購入可能です。価格はピンキリで、安いものだと1,000元程度(約20,000円)から買えるものもあります。気になる航続距離については、充電容量が大きい車両ほど高価格になりますが、小さめのものでも1回のフル充電で40km程度、大きいものだと150kmほどの走行が可能になります。充電は、商業施設やマンションの駐輪場に設置されているほか(4hで1元(約20円)程度)、取り外して家庭用コンセントでも充電可能です。
中国のデリバリーサービス「外卖(ワイマイ)」においても、ほぼ全員といっていいほどの配達員が電動バイクを使用しており、物流面においても非常に重要な役割を果たしています。
■シェアリングサイクル
石川県でも、金沢市が実施主体となっている公共シェアサイクル「まちのり」があり、市民や観光客に便利なサービスが展開されていますが、上海ではかなり大規模に普及が進んでおり、街中の至る所でシェアサイクルを見かけます。上海は地下鉄網が発達しているため、車社会の石川と違って自転車の使い勝手が良いという面はありますが、料金が安価なことや利用方法が簡単であることなど、サービス面の良さが普及を後押ししていることが窺えます。私も着任してからすぐに利用し始めました。
2022年9月時点で、ローカル資本の美団単車(Meituan)、ハローバイク(哈囉騎行、Hello Bike)、青桔単車(Didi Bike)の3社が上海でシェアリングサイクル事業に参入しており、それぞれ美団は黄色、ハローは青色、青桔は緑色のブランドカラーで展開しています。
日本の場合、自転車を駐車できるスペースが決まっておりますが、中国の場合は禁止エリア以外であればどこにでも止めてよいのが特徴です(禁止エリア・・・大規模施設周辺や繁華街など混雑する場所で、各サービス会社が独自に設定)。そのため、街中では歩道の至る所に駐車されており、乗りたいときに探し回る苦労はほとんどありません(朝・夕方の時間帯等で見つけづらいこともあります)。利用料金は、サービス会社によって若干違いはありますが、概ね最初の15分が1.5元(約30円)で、以降15分ごとに1元(約20円)が加算される仕組みになっています。各社ともサブスクリプションサービスを推奨しており、大体月16元(約320円)ほどで30日間乗り放題を利用できるため、毎日乗る人には非常にお得です。自転車に乗る際は、乗りたい自転車のサドル下にあるQRコードをアプリで読み込むと鍵が解錠され、使い終わったら鍵を閉めるだけでOK。決済もアプリ上で自動処理されるため、自分では何も操作する必要はありません。
このように、人々の足となる便利なサービスや装置が急速に普及し、かつ環境にも優しい仕組みが出来てきている状況に、ダイナミックで変化の速い中国の今を肌で感じます。
(写真1:電動バイクを利用する人)
(写真2:シェアリングサイクルを利用する人)
(写真3:サドル下のQRコードをスキャンすると解錠される。乗り終わったら施錠するだけ。)
(写真4:歩道に止められているシェアリングサイクル)
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