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■日中国交正常化50周年記念祝賀会
在上海日本総領事館主催の日中国交正常化50周年記念祝賀会が、11月30日に上海市内のオークラガーデンホテル上海(花園飯店)で開催されました。日中の政府や自治体、企業関係者ら約400人が集まり、これまでの友好交流や経済関係等の歴史を振り返り、今後の更なる発展の意義を確認しました。赤松秀一総領事は、挨拶で「建設的かつ安定的な日中関係を構築していくことはわれわれの世代の責務だ」と強調されており、改めて、先人が築いてきた歴史の重みと、文化・青少年・地域間交流の意義を考える機会となりました。
2022年は50周年という節目の年でしたが、記念事業を始めとした大規模イベントがことごとく中止、延期となった年でもありました。この記念祝賀会においても、当初は10月下旬に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染状況などにより11月下旬に延期。直近においても感染が再拡大していたことから、4部に分けて人数を約100人ずつに人数を絞った上で、かつ飲食やPRブースの出展等は取り止めとなりました。このとき上海市は、同市に到着して5日に満たない市外からの訪問者の飲食店や商業施設等への出入りを禁止していたから、飲食を伴うイベントは当面開催がしづらい状況でありました。本来であれば、この機会に県PRブースを設けて観光や食品等の魅力発信を行いたかったのですが、残念ながらまたの機会となりました。
一方、10月11日から日本政府が個人旅行の受入れや査証免除措置の再開等を実施したことを受け、10月の訪日外客数は約50万人と、前月の約20万人から倍以上の伸びとなっており、インバウンド需要の再開の波が来ていることを感じます。中国人の本格的な往来再開はまだ厳しい状況ですが、他国では人の往来が増えてきていることや、12月上旬に中国政府がゼロコロナ政策の緩和策を発表していることを鑑みると、往来再開の日はそう遠くないかもしれません。また、少し話はそれますが、スタジオジブリ作品の世界観を表現した公園「ジブリパーク」が11月1日から愛知県長久手市にオープンしたことで、訪日観光の目玉の一つとして期待されているかと思います。中国でもジブリ作品は人気で、市内のデパートでもジブリショップを目にすることがあります。その愛知県や静岡県から中部地域を通って日本海へ抜ける広域観光ルートである「昇龍道」をPRして来県へ繋げようと、現地の他県事務所とも話をしたりしています。少しずつではありますが、往来再開後のインバウンド需要に向けて準備を進めていこうという機運が出てきているように感じます。
■コロナ規制緩和の動き
新型コロナウイルス感染症に対し「ゼロコロナ」政策を厳しく続けてきた中国が一転、12月7日以降、政策の緩和策を発表しています。PCR検査の範囲・頻度の縮小、感染者や濃厚接触者の集中隔離の緩和、公共の場での健康コードの提示不要、といった政策が矢継ぎ早に打ち出され、日に日に状況が変化しています。これにより、束の間は歓迎ムードが高まりましたが、急に緩めた反動等で感染者数が急増しており(12.15現在)、厳格であった以前にも増して職場が在宅勤務で無人状態になったり、学校がオンライン授業に切り替わったりといったことが発生しています。職場や近所の身近な人にも感染者や濃厚接触者が出てきており、じわじわと感染リスクが高まってきていることを実感します。
この流れを踏まえると、おそらく中国も「ウィズコロナ」の方向に向かっていくものと思われます。しかし、コロナに有効とされるmRNAワクチンがまだ国内で流通しておらず、医療体制が感染拡大に追い付かず逼迫する可能性が高いこと等も鑑みると、これからは「自分の身は自分で守る」ことがより重要になってくるのではないかと思われます。そのための準備として、まずは薬や日用品等の確保に走るわけですが、これがすでに手に入りづらくなっており、なかなか思うようにいきません。個人でできる対策は限られますが、もしもの場合に備えて、病院のオンライン診療や日本人向け医療サポート等の情報を収集しておいた方がよさそうです。
また、各種イベントや会議の中止・延期が相次いでいるほか、会食を控える動きも顕著になっています。石川県人会も12月16日に予定しておりましたが、体調不良や濃厚接触によるキャンセルが相次いだため、残念ながら延期することになりました。
ゼロコロナ政策による連日のPCR検査や封鎖措置への警戒から解放されるのは喜ばしいことですが、感染リスクへの対応や、今後の政策がいつどのようになるか不透明であるため、当面はこれまでと同様に気を引き締めて生活していく必要がありそうです。
(写真1:中国交正常化50周年の記念祝賀会の様子)
(写真2:祝賀会で展示されていた漫画「ONE PIECE」の絵(漫画は日本文化の象徴))
(写真3:祝賀会での和太鼓団体「和響」によるパフォーマンス)
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