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重要無形文化財 「沈金」 保持者
前 史雄(まえ ふみお) 輪島市
沈金作業
〔沈金春愁文漆箱(ちんきんしゅんしゅうぶんしつばこ)〕
平成11年6月21日認定
沈金は漆芸の加飾(装飾)技法であり、漆の塗面に文様を彫り、漆を摺り込んで金箔や金粉などを窪みに埋めるものである。中国では鎗金などと呼ばれ宋代から行われていた技法で、室町時代には我が国でも始められたと考えられ、近世以降、特に石川県輪島では高度な発達をみた。
同人は、昭和38年金沢美術工芸大学美術学科(日本画専攻)を卒業し、同39年から父・前得二(雅号前大峰 重要無形文化財「沈金」保持者)に師事して沈金の技法を学んだ。さらに、公立学校における美術教育に携わりながら制作活動及び技法の研究を重ね、技の鍛錬に努めてきた。
同人は、沈金刀に関する深い研究の成果を生かし、線彫、点彫、コスリ彫のほか一刀彫などの各種の彫刻技法を駆使した制作を行う。金、銀、白金などの素材の色彩を効果的に配して技法の装飾効果を高め、情感豊かな独自の作風を築いて日本伝統工芸展等に多くの優れた作品を発表し、高く評価される。また、同展鑑査委員等を歴任して展覧会の指導に当たるとともに、石川県立輪島漆芸研修所の技術教育にも携わり、後進の指導育成にも尽力している。
以上のように同人は、伝統的な沈金技法を高度に体得し、かつ、これに精通している。
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