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重要無形文化財 「髹漆」(きゅうしつ)保持者
小森 邦衞(こもり くにえ) 輪島市
〔下地付け作業〕
〔網代重箱「暁天」あじろじゅうばこぎょうてん〕
平成18年9月15日認定
髹漆は、漆塗を主とする漆芸技法であり、素地(そじ)の材料の選択に始まり、下地工程を経て、上塗・仕上げ工程に至る幅広い領域にわたり、漆芸の根幹をなす重要な技法である。素地の材料には木材、竹、布、和紙、皮革等があり、各材質の特色を生かして下地、上塗を施す。上塗・仕上げには、塗面を磨かず塗放(ぬりはなし)で仕上げる塗立(ぬりたて)、磨いて光沢を出す蝋色塗(ろいろぬり)など多くの種類がある。
小森邦博(邦衞)は、輪島市杉平町に生まれ、漆芸の装飾技法である沈金技法を習得した後、昭和50年から石川県立輪島漆芸技術研修所で髹漆を学び、赤地友哉(あかじゆうさい)から曲輪造(まげわづくり)技法について、太田儔(おおたひとし)から籃胎(らんたい)技法を学んだ。その後も研鑽を積み、曲輪造や指物の技法と籃胎技法を組み合わせて素地を造形する独自の髹漆技法の研究錬磨に務め、その技法を高度に体得した。
主要な技法は、アテ(ヒノキアスナロ)材の曲輪を重ねて外枠を作り、これに竹ひごを編んで成形した素地をはめ込み接着し、布着せ及び漆下地を施した後、朱漆、黒漆などで上塗りし塗立仕上げ(花塗)とするものである。曲輪造技法及び籃胎技法それぞれの長所を生かしながら独自の工夫を加え、竹を編んだ文様と漆の塗りぼかしを組み合わせて多様な表現を行う。素地の材料確保から上塗りまで全て自ら行い、情感豊かで高い品格を備えたものとして高く評価されている。
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