ホーム > 観光・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 文化財 > 石川の文化財 > 書跡・典籍(県指定) > 版本妙法蓮華経・紙本墨書正法眼蔵・伝光録・正法眼蔵仏祖悟則 附納入箱
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正長元年(1428)
妙成寺 羽咋市滝谷町ヨの1
紙高27.2センチ 1紙の長さ 43.5センチ
1紙22行 1行17字あて摺印
県指定文化財 昭和58年1月25日指定
この「妙法蓮華経」(法華経)は、巻子装、8巻本で、その巻第8の巻尾に
於能州殊々郡吠木山法住寺有此板
正長元年 申戌 八月 日
勧進願主金剛傅燈榮玄
と刊記があり、室町中期の正長元年(1428)に栄玄が願主となり、能登国珠洲郡若山庄の法住寺において開版された妙法蓮華経であることが知られる。「法住寺版法華経」とも称されて著名であるが、法住寺に版木も現存せず、完存する唯一の「法住寺版」の遺品として稀少な価値を有するとともに、中世の能登における出版文化の水準を知るための貴重な史料である。なお、願主栄玄については明らかでないが、正覚院(羽咋市)に所蔵する「法住寺版法華経」(巻第8欠本)の内の1巻に記された裏文書「一宮気多社格式烈次第記」の奥書に、「気多社前大別当榮玄」と見えるのが、この人でなかろうか。
昭和60年「石川の文化財」より
天文16年(1547)から永禄10年(1567)
龍門寺 七尾市小島町リの15
(石川県七尾美術館保管 七尾市小丸山台1の1)
県指定文化財 昭和58年1月25日指定
『正法眼蔵』は、道元の選述で、禅の極意を明らかにし、禅僧の守るべき日常の作法などを説いたもので、宗門では最も重きをなす名著である。龍門寺本は、天文16年(1547)に興徳寺において書写されたもので、袋綴、縦20.1センチ、横12.3センチの75冊が完存する。『伝光録』(瑩山和尚伝光録・瑩山和尚洞谷録)は瑩山紹瑾の術で、仏祖釈迦牟尼仏以来の列祖略伝である。『正法眼蔵』と同じく天文16年に興徳寺において書写されている。袋綴、縦20.1センチ、横12.2センチの5冊本である。
『正法眼蔵仏祖悟則』は内題に「宗門伝灯之秘録」と記し、釈迦牟尼仏より峨山韶碩に至る列祖の悟則をまとめたもので、弘治2年(1556)に書写された全1冊本である。納入箱は永禄10年(1567)に、この3部81冊を収蔵するために作製されたもので、その来歴が記されている。中世後期の能登に展開した曹洞禅の基本的な典籍が、興徳寺の廃絶後、一時、その寺跡を継承した龍門寺に伝蔵されてきた歴史的価値は、極めて高い。
昭和60年「石川の文化財」より
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