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応永22年(1415)
妙成寺 羽咋市滝谷町ヨ-1
天地26.5~28センチ 長さ約90センチ 厚さ約2センチ
県指定文化財 昭和58年1月25日指定
この妙法蓮華経版木は、全8巻分65枚のうち、第5巻の3枚目にあたる1枚を欠いて64枚が現存する。 第八巻七枚目の巻尾に
応永廿二年八月日 願人得田沙弥章光
と刊記が刻まれてあり、室町初期の応永22年(1415)に能登国羽咋郡得田保・土田庄上村と鹿島郡高畠庄小柴村などの地頭であった、得田勘解由左衛門入道章光(章長)が願主となって開版された法華経の版木であることが知られる。版は「春日版」や「高野版」に比較して粗雑であるが、北陸地方に開版された最古の法華経として、しかもその版木製作の技法を知るうえにも貴重な遺品である。
昭和60年「石川の文化財」より
文明16年(1484)・文明17年(1485)
中宮区 白山市中宮
文明16年の札 長さ56センチ 幅10.8センチ 厚さ2.7センチ
文明17年の札 長さ49.5センチ幅9.3センチ 厚さ1.7センチ
県指定文化財 昭和58年1月25日指定
この2枚の行人札は、牛首川上流の虫ヶ尾社を基点として、白山に入峰し、山林練行を終えた行者が奉納したもので、入峰札または参籠札ともいう。文明16年(1484)の行人札は、上下両端に雲形文を刻み、朱が施されている。断面蒲鉾型に削った表面の上方中央に「虫尾」、その下に文明16年6月下旬の日付と、11人の行者名・年齢などを陰刻する。文明17年(1485)の行人札は、上端部に波濤文と口に朱を施した龍・神像を刻む。断面蒲鉾型に削った表面上方の中央に「虫尾」、その下に文明17年5月中旬の日付と、11人の行者名・年齢などが陰刻されている。中世の白山を舞台に行われた修験者の足跡を伝える稀少な史料であり、白山信仰の実相を知るうえで重要な歴史的価値を有する。
昭和60年「石川の文化財」より
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