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更新日:2010年4月7日

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対談・寄稿文 - 石川を日本語・日本文化研修のメッカに

政府の行う外交と異なり、地方自治体が行う国際交流は、地域と地域が直接、それぞれの地域の財産や持ち味を生かした実のある交流を実践していくことにある。

本県では、「加賀百万石」という言葉に象徴される伝統文化を切り口に、「日本語・日本文化の研修プログラム」を昭和62年から実施し、これまでの14カ国、27の大学などから約1,800人の学生を受け入れている。

このプログラムは、日常生活の中から日本の社会や慣習に触れながら、日本語・日本文化を学んでもらうことを狙いとしている。日本語の研修は、20年以上の実績がある日本語講師陣により行われ、また、ボランティアの皆さんの協力により、県が設けた純日本的なたたずまいの家屋でお茶や生花なども体験してもらっている。

このプログラムの最大の特徴は、1~2カ月間の滞在期間のすべてをホームステイとしていることである。現在、県内350の家庭にボランティア登録していただいているが、この数は人口あたりでは全国第1位である。

研修を終えて帰国する学生の皆さんは、「ホームステイの体験が日本人の生活を知る上で大変役立った」、「ホームステイ先は私の2番目の家族となるだろう」と異口同音に話している。ホームステイを受け入れた多くの家庭が学生の帰国後も交流を続けているという。また、この研修によって、ホストファミリーの皆さんも、日本を再認識するようになるなど、石川県でも国際人のすそ野が広がっているのである。

おかげさまで、このプログラムには高い評価を頂いている。米国のプリンストン大学、イタリアのミラノ大学など6大学から正式単位に認定されているし、特に、プリンストン大学とはこれがご縁となり、プリンストン大学などの学生が県内企業で約2カ月間研修するという新しい研修プログラムも誕生した。また、平成12年からは、米国政府の将来の幹部候補生を対象とした「マンスフィールドプログラム」の日本語・日本文化の研修にも組み込まれている。

こうした研修を通じて、世界各国の研修生たちが末永く、日本、石川県のことを記憶にとどめ、日本、そして石川県の応援団になってほしいと願っている。

 

(時事評論  2004年3月号)

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