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7月7日の七夕の日、能登の人たちの夢と希望を乗せて2,000メートルの滑走路を持つ能登空港が開港した。あいにくの雨であったが、この日実に18,000人が空港を訪れ、開港を祝ってくれた。地元の方々の能登空港に対する期待の大きさを物語っている。
羽田からのエアーニッポン一番機の着陸前に、落語家の桂文珍師匠が大阪から自家用機を自ら操縦しておいでになり、開港に花を添えていただいた。師匠と能登とのご縁は、空港から西へ車で40分ほどの門前町にある別荘地「まんだら村」に野外劇場TERAを造ったことに始まる。
師匠は、「能登の自然は都会の疲れを癒やしてくれる。そして穴水町から門前町へ、日本海に赤々と沈みゆく夕日を眺めながら、この大好きな能登を第二のふる里に決めた」とおっしゃってくれている。「口にするものがおいしく、そこに住む人々の優しさがあれば、人は癒やされる」ともおっしゃっている。私自身もこの優しい自然と人情が醸し出す「癒やし」が能登の魅力であり、貴重な財産であると思う。
この現代社会が忘れかけた魅力を味わいにぜひ能登に来ていただきたい。
能登地域、とりわけ空港のある奥能登地域は高度成長のころから一貫して過疎化に悩まされてきた。それが、空港の開港により、これまで6時間かかっていた能登と東京間が1時間で結ばれることになり、今後さまざまな交流が生まれ拡大していくと期待している。
開港を契機に隣接地に日本航空学園が立地し、2年後には教職員、学生合わせて1,000人がこの地に集う。既に輪島市の人口は32年ぶりに増加に転じたという。
さらに、輪島塗などの繊細な伝統工芸、勇壮で華麗な祭り、そして豊かな自然と恵まれた食材がもたらすおいしい能登を首都圏の人に味わっていただくことで、観光面でも相当規模の経済効果が生じる。空港の収支不足を補って余りある効果だと思う。
おかげさまで開港以来、1日2往復の搭乗率も好調に推移している。今後、日本の原風景が残されている能登の魅力に磨きをかけ、どう生かしていくのか。まさに今、能登の人たちのチャレンジが始まったところである。私も、その取り組みに挑戦していきたい。
(時事評論 2003年10月号)
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