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江戸時代全期
住吉神社 輪島市鳳至町鳳至丁1番地
県指定文化財 平成5年8月25日指定
近世奥能登最大の在郷町で、日本海海運の港町でもあった、輪島両町のうちの鳳至町に伝来した古文書群。鳳至町の鎮守住吉神社の所蔵であるが、内容は神社史料を含むものの、同町の町方文書が大半を占めている。天正10年(1582)の前田利家御印状が上限で、寛永期の鳳至町年貢米皆済状などもあるが、多くは天明期(1780年代)以後のもので、総数の約9割が江戸後期から幕末期の文書である。内容は、町方の支配・行政に関するもののほか、輪島特産の漆器など地域の産業資料が豊富である。
また、大橋の普請や両町の市立てなど町民の暮らしと係わりのある興味深いものが多い。輪島湊の海運資料も多彩である。神社文書は比較的少ないが、鳳至町の祭礼・当組の具体相を伝えるものと、「鳳至比古神社」をめぐる式内社論争資料に特色がある。百姓の屋敷地を示した輪島町絵図(宝暦年間以降の成立)などの絵図類も81点あり、近世輪島町のプランを知る上での好資料となっている。加賀藩領域有数の町方資料として、日本海の港町資料として、近世地方・都市史研究の上で、質量ともに極めて重要な資料である。
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