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中能登町
鹿島郡中能登町石動山ヤ部2・3
県指定文化財 昭和50年1月8日指定
藩政末期まで残っていた石動山天平寺の坊舎58坊のうち、現存する唯一の遺物である。入母屋造り、平入り、茅葺で、側回り柱上の絵様舟肘木や内部の部屋の構えなどに寺坊としての格式が見られる。柱筋を揃えた平面形式で、土間回りと座敷回りの2つに大きく分けられ、座敷回りは4間取りで、表側に奥座敷・前座敷、裏側にナンド・チャノマがあり、座敷の側面と背面に下屋を巡らす。土間回りは、入口を入ると座敷の前にクチノマ、その奥にオエ(ダイドコロ)があって、これとミンジャは土間にはり出ている。便所は表に突き出して付けられている。明治初年神仏分離によって坊舎でなくなり、近年までは農家の住居となっていたが、過疎化の波をうけ無住となった。昭和51年(1976)に修理されており、石動山寺坊の唯一の遺構として貴重な建物である。
昭和60年「石川の文化財」より
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