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文化財石垣の保存・管理に必要な技術や方法等について、総合的に調査研究し、金沢城石垣の保存継承に資することを目的とする。
本年度は、城内石垣の保存状態についての詳細調査を実施し、平成28年度より進めてきた詳細調査の成果をとりまとめた報告書を刊行した。
三次元データの差分比較による経年変化量の面的把握
対象:(1)切手門西櫓台石垣(H20とR2)、(2)数寄屋屋敷西鉢巻石垣(H21とR2)
(1)切手門西櫓台石垣は、東面と南面で前倒れと石口の開きがみられる。差分図により、南東隅角部周辺の立石集中部に限局して、前方向への急速な変位の累積が確認された。櫓台上面の樹木が要因と推察される(令和3年5月伐採)。
(2)数寄屋屋敷西鉢巻石垣は、中央右手が幅約6mに亘って大きく前倒れしており、この部分で変位の累積が顕著である。最も新しい時期に修理された範囲に該当し、修理後に再び変形が進行したものと判断される。変位の累積は同所右手に続くシノギ角に及んでおり、進行範囲の特定が急がれる。また、石垣左端の石積みにも変位の累積が確認される。
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