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文化財石垣の保存・管理に必要な技術や方法等について、総合的に調査研究し、金沢城石垣の保存継承に資することを目的とする。
令和2年度は金沢城内の石垣の保存状態について詳細調査を継続するとともに、調査成果のとりまとめを行った。また、石垣保存管理技術等に関する検討会を行う。
[第17回]令和3年3月13日(土曜日)
「石垣計測と数値解析について」小山 倫史(関西大学)
令和3年3月16日(火曜日) 星野 玲子(鶴見大学)
数寄屋門台石垣は、孕み出しは確認されなかったが、差分比較では石垣下部が前方に、上部が後方に変位しており、面的に倒れている傾向が伺えた。この石垣は玉泉院丸北堀縁石垣(6420W)を基盤とするため、今後これらの動態も含めた検討が必要である。
本丸北石垣は、明治期に石垣を断ち切って造られたレンガトンネル周辺の間知石積部分に局所的な孕み出しが確認された。差分比較の結果、レンガトンネルにおいて変位の進行が認められたが、全体としては安定状態を保っていることが確認された。
三ノ丸北西石垣は、石垣中央部にある石組暗渠改修範囲の石積(A)が後方に窪んだ状態であったが、改修時に丁張が変わった可能性がある。差分比較では、モザイク状に不自然な色の変化が生じているが(図中赤囲み)、これはH16 の計測精度に起因する誤差であろう。
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