絵図等の調査(20年度)
1 調査概要
金沢市立玉川図書館所蔵の金沢城下町絵図について原本調査を行い、分類や編年、作成背景等に関する検討を行うとともに、金沢城下町図のほか小松城絵図等の調査を進め、撮影を行った。また、文化の再建以降の金沢城二ノ丸御殿について、 絵図編年を試みた。
2 主な成果
- 玉川図書館所蔵の「賀州金沢城下町割正極之図(約六千分一)」(享保20年成立 加越能文庫)が藩の兵学者有沢武貞自筆のものであること、石浦神社に原蔵される「加州石川郡石浦郷氏子七ヶ村絵図」(氏家栄太郎の写、氏家文庫)が江戸初期の情報を入れながらも、元禄ごろに描かれた絵図であることを確認した。
- 玉川図書館に残る金沢城下町図の多くは、江戸中期から後期にかけての景観を描いたもので、とくに化政期ごろのものが最も精度が高いことを確認した。
- 文化再建以降の二ノ丸御殿は、絵図でみると、形状に大きい変化はないが、御居間廻りに存する御風呂屋の位置や表向・奥向との間に存する廊下の有無など細部に違いが認められ、絵図編年への手がかりを得た。
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