絵図等の調査(15年度)
1 調査概要
- 二の丸全域および二の丸御殿を描く多様な絵図の調査を実施し撮影を行った。調査対象となった絵図件数は約200点だが、そのうち二の丸関係絵図は約120点であった。
- 併行して昨年度の金沢城全域絵図の補足調査を行い、新たに5点の全域絵図を確認した。
2 主な成果
- 二の丸絵図の調査により、二の丸御殿全体を描いた絵図を約30点確認した。
- 二の丸御殿図の多くは、御殿内での儀式を解説した図(100牧以上確認)であり、中奥、表向のみを描く御殿部分図も相当数あることを確認した。
- 御殿周辺の建物の立面図や内装の立面図(作事所系の絵図)もあり、二の丸関係絵図の多様さに即応した分類方法の検討が必要となった。
- 金沢城全域絵図の分類・編年を進め、幕府提出図11点の編年と図柄の特徴を解明したほか、藩用図には普請会所で作成された石垣・堀中心の絵図と、作事所で作成された「建物等色分図」等があることを確認した。このうち、「建物等色分図」7種類(前期3種類12点、後期4種類5点)の作成年代と景観年代も明らかにできた。
(「金沢城全域絵図の分類と編年」『金沢城研究』第2号参照 )
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