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日々の生活において、十分な睡眠による休養は心身の健康に欠かせません。
睡眠不足による労働災害や自動車事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の約3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。
睡眠は生活習慣病とも深い関係があり、より良い睡眠をとることは心身の健康の保持増進において極めて重要です。
より良い睡眠には、適正な睡眠時間に加え、睡眠休養感(睡眠で休養が取れている感覚)を得ることが大切です。
睡眠休養感の確保には、適切な生活習慣や睡眠環境を整えることが大切ですが、睡眠環境や生活習慣等を見直しても睡眠休養感が低い場合は、睡眠障害の可能性があるので、医療機関に相談しましょう。
日本人の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。
石川県でも、「睡眠による休養が充分に取れている者の割合」は28.8%、「睡眠時間が6時間以上9時間未満の者の割合」は59.0%となっています(令和4年度県民健康調査)。
慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼし、結果的に糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。
年齢や体質によって必要な睡眠時間に個人差はあるものの、成人では毎日の睡眠時間を6時間以上確保することが推奨されています。
睡眠障害もまた生活習慣病の発症に関わっています。
例えば睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんでは、夜間に頻回に呼吸が止まることにより「低酸素血症と交感神経の緊張」「酸化ストレスや炎症」「代謝異常」などが起こり、その結果として高血圧、心不全、虚血性心疾患、脳血管疾患などに罹りやすくなります。
また、慢性不眠症の患者さんも「交感神経の緊張」「血糖を上昇させるホルモンの過剰分泌」「睡眠時間の短縮」「うつ状態による活動性の低下」など多くのリスクを抱えています。
なかなか寝つけない(入眠困難)や夜間に途中で何度も起きる(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)など不眠症状のある人では良眠している人と比較して糖尿病になるリスクが1.5から2倍になることが知られています。
不眠や日中の眠気が1か月以上続くときは、何らかの睡眠障害に罹患している可能性がありますので、医療機関に相談しましょう。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」を参考にして普段の睡眠習慣を見直してみましょう。
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみを抱えずに、専門家に相談を。
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