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第一は、「交流が盛んな特色ある地域づくり」についてであります。
北陸新幹線につきましては、国の来年度予算案では、長野・金沢間に一千六百億円の事業費が計上されたところであり、平成二十六年度末までの金沢開業がより確かになったものと受け止めております。
並行在来線につきましては、経営主体となる第三セクターの本年中の設立に向け、開業準備に必要となる資本金を今回の予算に計上しております。また、企画振興部に「第三セクター設立準備室」を設置し、新会社の設立に向けた準備を加速させてまいります。その第三セクターの経営の大要を定める経営計画については、先般、中間取りまとめをお示ししたところでありますが、第三セクターの経営は依然として厳しいものと見込まれることから、引き続き、国やJR西日本に対し、積極的な支援と協力を求めてまいります。
今後とも、金沢までの早期開業に必要な予算の確保や並行在来線対策、金沢以西の早期全線整備等について、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、国等に対して強く働きかけてまいります。
北陸新幹線金沢開業に向けたアクションプラン「STEP21」の推進につきましては、「おもてなし」、「食文化」、「歴史・景観」といった本県の有する財産を磨き上げ、発信する取り組みを更に加速させてまいります。
まず、民間グループや団体が行う先導的な取り組みについては、これまでの実績を検証するとともに、首都圏の旅行会社との意見交換の場を設けるなど、首都圏からの誘客に向け、しっかりとした成果を上げられるよう、実効性ある支援を実施いたします。
おもてなしの向上につきましては、今年度新たに「ほっと石川おもてなし推進協議会」を設置し、各市町や団体等による自主的な取り組みを推進しているところでありますが、引き続き、地域の特色ある取り組みを紹介する「おもてなし推進大会」の開催等を通して、県民挙げての意識の醸成を図ってまいります。
また、北陸新幹線らしいおもてなしとして、本県の伝統的工芸品を新幹線車両に活用いただけるよう、先月、庁内のプロジェクトチームを立ち上げたところであり、今後、具体の提案をJR西日本に対して行ってまいります。併せて、金沢駅の駅舎に関しても、伝統的工芸品や県産材の活用等について、県民や観光客の皆様に石川らしさを感じていただけるよう、金沢市など関係機関と連携し、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
食文化の魅力向上につきましては、女性にも人気の高いスイーツをテーマとした全国イベント「いしかわスイーツ博2012(仮称)」を本年秋に新たに開催いたします。本県の豊かな食材を活用したコンテストやスイーツフェアを継続的なイベントに育て上げていくことで、石川を和洋含めたスイーツのメッカとして全国に発信してまいります。
歴史・景観を活かした地域づくりにつきましては、まず、金沢城公園の復元整備として、北陸新幹線金沢開業までの金沢城三御門の完成と玉泉院丸跡の暫定供用を目指し、石川門の保存修理と橋爪門の整備を進めるほか、玉泉院丸跡については、池や中島など庭園部の先導的整備に向けて基本設計に着手いたします。また、隣接する丸の内駐車場一帯についても、城外周部の風格ある景観の創出に向け、整備内容の具体の検討を進めてまいります。
歴史博物館については、重要文化財としての建物の魅力を活かしながら、より多くの県民や観光客の皆様に訪れていただける施設となるよう、新たにフリーゾーンを設けるとともに、展示の全面見直しを行うこととしており、平成二十六年度のリニューアルオープンに向け、来年度は実施設計に着手いたします。
また、県庁跡地については、第二段階整備として、広坂庁舎の解体工事を進めており、本年夏には解体を終えることとしております。引き続き、地下部を活用した駐車場の整備や現在の駐車場エリアの緑地化を進め、北陸新幹線金沢開業までの県庁跡地全体の供用に向け、着実に整備を進めてまいります。
加えて、隣接する中央公園については、芝生が衰退し、悪天候時にはぬかるみが発生するなど、イベント運営に支障を来していることから、イベントに使用しやすい広場として県庁跡地の緑地化と一体的に改修するための基本計画の策定に着手いたします。
北陸新幹線金沢開業に向けた戦略的なPRの展開につきましては、有識者からなる「新幹線開業PR戦略企画検討会」において、来月に開業キャンペーン等の情報発信に向けたPR戦略の素案を取りまとめることとしております。来年度には自治体や経済界、地域団体等各界各層から構成する「新幹線開業PR戦略実行委員会(仮称)」を新たに立ち上げ、検討会の素案をもとにPR戦略実行プランを策定し、官民挙げて首都圏からの効果的な誘客対策に全力で取り組んでまいります。
また、新幹線開業が間近に近づいてきたことを県民の皆様に実感いただく機会として、「北陸新幹線金沢開業フォーラム(仮称)」を開催いたします。このフォーラムを通じ、民間グループや団体が行う先導的な取り組みやPR戦略実行プランの浸透を図り、新幹線開業に向け、県民一体となった気運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
来月二十五日で能登半島地震の発生から五年が経過いたしますが、震災からの復興については、被災した住宅や農地、道路等のハード面の復興は概ね完了したものの、観光客は未だ震災前の水準に回復していないなど、ソフト面の復興にはもうしばらく時間を要する状況にあります。このため、今年度末で運用期間が終了する能登半島地震復興基金について、二百五十億円規模で五年間延長することといたしました。また、今回の延長を機に、能登地域と金沢・加賀地域が連携して行う交流人口の拡大の取り組みを新たに助成対象に加えることとしており、こうした取り組み等により、「持続可能な能登の再生と創造」の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
次に、広域交流のための基盤整備の推進についてであります。本県では、県内外や世界を繋ぐ陸・海・空の交流基盤の整備が着実に進んでおり、これらを最大限に活用することで、人やものの交流を一層盛んにし、本県の活力と賑わいを育んでまいります。
まず、小松空港につきましては、近年の航空業界の変化や北陸新幹線金沢開業などを見据え、「小松空港活性化推進検討会」において、来月にも、空港の活性化や更なる利便性の向上等に向けたアクションプランを取りまとめることとしております。一方で、この検討会設置以降、北陸新幹線の金沢以西延伸や台北便の増便による更なる国際化の進展といった情勢の変化がみられることから、来年度新たに、「小松空港活性化委員会(仮称)」を設置し、こうした状況の変化に対応した具体の戦略づくりに向け、更に検討を深めていくことといたしました。
併せて、これらの検討内容を具現化する組織として、企画振興部に「小松空港活性化推進室」を設置し、小松空港の活性化に向けたプロジェクトを戦略的に推進してまいります。
国内線については、北陸新幹線金沢開業も見据え、羽田空港での乗り継ぎの更なる利用促進を図ることが重要であり、新たに本県の呼び掛けにより、賛同する全国の空港所在自治体で構成する協議会を立ち上げ、乗継制度の周知と利用促進を図るとともに、乗継先と連携した地域間交流の取り組みを進めてまいります。
また、国際線については、台北・上海・ソウル便の全てが週四便体制となり、各路線の特長を活かした需要の喚起を図るため、航空会社とも連携しながら更なる利用促進に取り組むとともに、新規路線の誘致に向け、チャーター便の就航促進にも努めてまいります。
さらに、国際貨物便については、カーゴルックス航空による北米便の更なる利用促進に向け、新たに首都圏においてPRのためのセミナーを開催するとともに、フォワーダーや荷主企業への周知と利用の働きかけを行い、小松空港における貨物の取扱いの優位性をアピールするなど、国際物流拠点化に向けた取り組みを鋭意進めてまいります。
今後とも、議員各位をはじめ、小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、日本海側の拠点空港としての発展に向け、着実に取り組みを進めてまいります。
能登空港につきましては、開港九年目の搭乗率は、昨年末までは例年を上回る好調な水準で推移しておりましたが、今年に入って搭乗率が落ち込み、厳しい状況にあります。このため、首都圏からの利用を回復すべく、世界農業遺産の認定を受けた能登の里山里海の魅力を活かした旅行商品の造成支援等を行うとともに、低迷している地元利用の拡大を図るため、市町や関係団体と一体となって利用意識の向上に努めるなど、安定的な需要の確保に向け、地元と一体となって各種施策を展開してまいります。
金沢港につきましては、中国や東南アジア諸国とのコンテナ取扱量が引き続き好調に推移しており、昨年一年間の実績は四万七千本余と二年連続で過去最高となりました。また、航路数もRORO航路と併せて週十便と過去最多となるなど、貨物の増加が航路数の増加に繋がり、航路数の増加が更なる貨物の増加へ繋がるという好循環が生まれております。
こうした中、県としましては、増大する貨物量に十分な対応を図るため、コンテナ取扱能力に優れた荷役機械であるトランスファークレーンを来年度中に導入すべく整備を進めるとともに、(株)金沢港運が実施するコンテナ用上屋等の整備に対して支援をいたします。
また、金沢港を利用した新たな物流ルートの提案を荷主企業に対してオーダーメイドで行うとともに、上海ポートセールスチームや韓国物流アドバイザーとも連携して、官民一体となった戦略的なポートセールスを実施するほか、港の賑わいの創出に向けて大型クルーズ船の誘致を進めるなど、ハード・ソフト両面での取り組みを通じて、日本海側の国際物流拠点港としての更なる飛躍を目指してまいります。
七尾港につきましては、一年を通じて港内が静穏で、貯木施設が充実するなど、原木の安定的な外貿取扱量を確保するための条件に恵まれております。こうしたことから、今後の伸びが見込まれる北米材原木の輸入拡大に向け、日本海側の中央に位置する地理的優位性を活かし、原木を一括して受け入れた上で他港へ輸送する新たな物流ルートの構築を目指したトライアル輸送を実施いたします。こうした取り組みを通じて、日本海側拠点港の指定へと繋げてまいりたいと考えております。
道路網の整備につきましては、「ダブルラダー結いの道」整備構想の実現に向け、引き続き、能越自動車道、金沢外環状道路、加賀産業開発道路等の幹線道路の整備を推進することとしております。
このうち、能越自動車道については、来年度に輪島インターチェンジから三井インターチェンジ間の新規着手及び七尾東インターチェンジから大泊インターチェンジ間の完成供用を予定しております。引き続き、北陸新幹線金沢開業までに小矢部砺波ジャンクションから七尾インターチェンジ間が繋がるよう、整備促進を図ってまいります。
金沢外環状道路海側幹線については、白山市乾町から金沢市福増町間及び白山インターチェンジを来る四月二十一日に供用開始することとしております。また、北伸区間のうち、金沢市大河端町から福久町間を新たに事業着手するとともに、鞍月から大河端町間を能登有料道路の無料化に合わせ、来年度に暫定二車線で供用することとしております。
また、川北大橋有料道路の無料化への対応として進めている加賀産業開発道路の小松市軽海町から八幡インターチェンジ間の四車線化事業についても、国が整備を進める国道八号小松バイパスの四車線化供用に合わせ、来年度に完成供用することとしております。
海外誘客につきましては、東日本大震災及び福島の原発事故による風評被害の影響で、一時は旅行需要が大きく落ち込みましたが、昨年七月のトップセールスやメディアの招へいなどの積極的なPRにより、東アジア地域では、全体として回復が図られたところであります。一方、欧州など依然として回復が遅れている地域もあり、引き続き、国や地域の実情に応じた戦略的な誘客活動を展開する必要があると考えております。
具体的には、まず台湾については、引き続きエバー航空との連携のもと、スポーツ・レジャー分野などターゲットを絞った誘客に取り組むほか、韓国については、大韓航空と連携した情報発信や新たに本県との友好交流地域である全羅北道からの誘客に取り組むこととしております。中国についても、引き続き、上海及び周辺地域における観光PRに努めるとともに、北京など新たな市場の開拓にも取り組んでまいります。
欧州については、ミシュランガイドなど各種メディアの招へいやパリ市内での観光イベントへの出展を行うなど、更なる認知度の向上に努め、誘客の回復に繋げてまいります。
ルクセンブルクとの青年交流事業については、来年度で十回の節目を迎えます。先般、ルクセンブルク商業会議所からの招へいもあったところであり、更なる交流の充実を図るため、同国を訪問することといたしました。併せて、この機会に関係者に対し、カーゴルックス航空の北米便就航のお礼を申し上げるとともに、国際貨物便の今後の利用促進策等について協議を行い、更なる利用拡大に繋げてまいりたいと考えております。
さらに、世界農業遺産の認定機関である国連食糧農業機関本部を訪問し、能登の里山里海に関する本県の取り組みをアピールするほか、充実した教員養成課程や小中一貫教育の実践等により、国際的学力調査においてトップレベルにあるフィンランドの教育事情を視察し、本県における今後の施策の充実に反映させてまいりたいと考えております。
以上
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