議案説明要旨（平成23年第5回県議会定例会） - 平成23年11月30日 - 原子力発電所の安全対策及び防災対策などについて

◎ 県政の諸課題の進捗状況について

6.原子力発電所の安全対策及び防災対策などについて

原子力発電所につきましては、福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさせないよう、何よりも安全対策を徹底することが第一であります。国においては、これまで緊急安全対策や原子力発電所の安全確認の一環としてのストレステストの導入など、各種の対策が講じられておりますが、原子力発電所の安全対策の技術的な基準となる安全指針の見直しについては、これら国が講じる各種対策の位置付けを含め、具体の内容が示されていないのが現状であります。

先般開催された政府主催の全国知事会議において、細野原子力行政担当大臣をはじめ関係大臣にも申し述べてまいりましたが、国に対しては、引き続き、福島での事故の早期の原因究明と併せ、国民への説明責任を十分に果たしながら、原子力発電所の安全指針の見直しを含む抜本的な安全対策を徹底するよう強く求めてまいる所存であります。併せて、北陸電力(株)に対しては、地元の理解を得ながら各種の安全対策に全社を挙げて取り組むよう重ねて強く求めてまいります。

一方、原子力防災対策については、原子力災害の専門性・特殊性から、国の責任の下に防災対策を実施することとされており、国に対しては、これまでも全国知事会等を通じて再三にわたり、「防災対策を重点的に充実すべき地域」の基準の見直し等も含め、原子力防災指針や防災基本計画の早急な見直しと防災対策の充実強化を要請してまいりました。こうした中、先般、国の原子力安全委員会において、「防災対策を重点的に充実すべき地域」の当面のめやすについて、三十キロメートル圏に拡大するという考え方が示されましたが、原子力防災指針や防災基本計画全体の見直しに向けた方向性や具体の内容は未だ定まっていないところであります。

県といたしましては、こうした状況ではありますが、今般、石川県防災会議の下に設置している原子力防災対策部会において、地域防災計画の見直しに向け、国の見直し作業と並行して、可能なところから順次検討を進めていくことといたしました。この部会については、福島での事故や「防災対策を重点的に充実すべき地域」の大幅な拡大を踏まえ、より専門的な観点での検討を行う必要があることから、新たに委員の見直しを行い、来月二十一日に第一回の会合を開催することとしております。

また、地域防災計画の見直しにあたっては、具体的な避難指示の基準やその前提となる放射線のモニタリング体制の見直し方針等が示されることが不可欠であり、国に対しては、こうした事項について具体の検討を急ぐよう、また、必要となる経費に対する財源手当についても明らかにするよう引き続き強く求めてまいる所存であります。

先月六日、公正取引委員会は奥能登地域の建設業者に対し、県及び輪島市が発注した土木工事の入札において独占禁止法に違反する行為があったとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。本県では、これまでも公共工事における不正を根絶するため、入札・契約制度の改革を進めてきたところでありますが、このような事態となったことは極めて遺憾であります。

県といたしましては、今回の排除措置命令等を踏まえ、先月十七日付けで対象業者に対して指名停止措置を講じたところであり、今後、排除措置命令等が確定すれば、建設業法に基づく営業停止処分や工事請負契約書に基づく違約金の請求を実施することとしております。今後とも、入札・契約制度における競争性や透明性の確保に努めるとともに、建設業者に対して法令遵守及び企業倫理の確立の徹底を指導し、再発防止に努めてまいる所存であります。

以上をもちまして、私の説明を終わりますが、議員各位の一層のご指導とご協力をお願いいたしますとともに、なにとぞ慎重ご審議のうえ、適切なるご決議あらんことをお願いいたします。

 

以上

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