議案説明要旨（平成23年第5回県議会定例会） - 平成23年11月30日 - 北陸新幹線など交流基盤の整備について

◎ 県政の諸課題の進捗状況について

3.北陸新幹線など交流基盤の整備について

北陸新幹線につきましては、平成二十六年度末までの金沢開業に向けた工事が着実に進められております。一方で、東日本大震災を契機に、東海道新幹線の代替補完機能を果たす北陸新幹線の重要性が一層高まっており、未着工区間である金沢以西について早期の認可・着工を実現し、着実に前進させる必要があります。先般も政府・与党に対し、沿線各県等とともに金沢・敦賀間の早期認可・着工等について強く働きかけてきたところであります。

また、今月二日、私自らがJR西日本本社を訪問し、北陸新幹線の整備促進、金沢開業を契機とした観光誘客の拡大はもとより、並行在来線の安定的な経営と安全な運行並びに利便性の確保について協力と支援を要請してまいりました。同社とは、今後とも互いに問題意識を共有しながら緊密な連携を図っていくことで意見の一致をみたところであります。

並行在来線を運営する第三セクター会社については、来年中の設立に向け、経営の大要を定める経営計画の策定など、諸準備を進めているところであります。新しい会社の出資金は二十億円程度とすることを想定しており、県全体で並行在来線を支える仕組みを構築できるよう、県内全市町に加え、民間からのご協力もいただきたいと考えております。

併せて、並行在来線がJR西日本から経営分離されることにより、第三セクター会社の収支の均衡を図るため、利用者負担の増加が見込まれるところであります。これを少しでも抑制するとともに、災害時の復旧のための財源を確保する観点から、関係市町と連携して、安定した運行を確保するための基金を造成したいと考えております。

今後とも、金沢までの早期開業に必要な予算の確保をはじめ、金沢以西の早期全線整備、並行在来線対策等について、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、国やJR西日本等に対して強く働きかけてまいります。

北陸新幹線金沢開業に向けたアクションプラン「STEP21」の推進につきましては、開業記念キャンペーン等の情報発信に向けた戦略づくりのため、本県の観光総合プロデューサーや県内在住の広報プランナー、JR関係者など専門的な知識と豊富な実務経験を有する方々に参画いただき、「新幹線開業PR戦略企画検討会」を設置することとしたところであります。今年度中に様々な角度からPR戦略のアイデアを結集し、来年度には具体の取り組みを実行する組織として、自治体や経済界、地域団体など各界各層から構成される「新幹線開業PR戦略実行委員会（仮称）」を立ち上げ、実行プランの策定に繋げてまいりたいと考えております。

北陸新幹線金沢開業に向け、本県の玄関口となる金沢から加賀・能登など県内全域に開業効果を波及させることが重要であり、今後とも具体の行動を官民一体となって加速させるべく取り組んでまいります。

小松空港につきましては、先月から台北便が週四便化されるとともに、国際航空貨物便の北米路線が開設されたところでありますが、議員各位をはじめ関係者のご支援により、これらの利用状況は概ね順調に推移しております。今後とも、国際線の拡充や既存路線の利用促進に取り組み、関係各位はもとより、小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、日本海側の拠点空港としての発展に向け、努力してまいる所存であります。

能登空港につきましては、東日本大震災の影響で利用が低迷しておりましたが、七月以降の利用が回復し、開港九年目の搭乗率は現在前年を上回る水準で推移しております。今後、例年搭乗率が落ち込む傾向にある冬場に向け、これまで以上に気を引き締め、首都圏からの誘客活動の推進と併せ、地元市町や関係団体と一体となった利用意識の向上に努めてまいります。

国が選定を進めてきた日本海側拠点港につきましては、先般、金沢港が国際海上コンテナ及び外航クルーズの二つの機能について選定を受けました。また、七尾港につきましても、官民挙げて熱意を持って計画を提案したことが評価され、原木の機能について、国が計画の実現を後押ししフォローアップを行う拠点化形成促進港として選定を受けたところであります。今後とも、両港の関係者や地元自治体、経済界とともに、計画の実現に向けて一層の努力を重ねてまいる所存であります。

道路網の整備につきましては、北陸新幹線金沢開業を見据え、金沢外環状道路海側幹線や加賀産業開発道路など広域交流ネットワークの整備を進めており、今月六日には金沢能登連絡道路の内灘町大根布からかほく市白尾間における四車線化事業の起工式を執り行ったほか、来月九日には能登有料道路越の原インターチェンジ付近のゆずりレーンを完成・供用することとしております。

 

以上

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