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近年、薬剤耐性菌の拡散は国際的に大きな問題となっており、我が国においても「薬剤耐性対策アクションプラン」が策定され、動向調査・監視及び感染予防・管理を担うべき機関として地方衛生研究所が挙げられている。
薬剤耐性菌の分離状況は、地域や施設間で異なることが知られており、地域におけるサーベイランスが重要である。本研究は県内の医療機関、市中、並びに県内に流通する食品を対象に薬剤耐性菌の保有状況を把握し、耐性菌の拡大抑制に資する情報を広く提供するものである。
(健康・食品安全科学部)
デング熱の国内感染事例等を受け、国は「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」を策定し、各地域の実情に応じた対策を行うよう提示している。当県では北陸新幹線の開通もあり、県内への旅行者、中でも東南アジア等の外国人の増加が顕著であり、蚊媒介感染症の県内侵入の危険性が高まっている。本研究は媒介蚊やアルボウイルスのモニタリング調査を通じて県内のデング熱等の蚊媒介感染症対策の基礎資料とするとともに、今後、県が感染症対策として行う的確な媒介蚊等のサーベイランス体制整備の一助とする。
(健康・食品安全科学部)
感染症の中で、結核は依然として国内最大級の感染症であり、蔓延防止のためには患者の行動調査等の情報収集を主とした疫学的調査に加え、患者から分離された結核菌の遺伝子型を特定する分子疫学解析手法の導入が感染源・感染経路を明らかにする重要な要素となる。本研究では、VNTR法による結核菌の分子疫学解析を行い、石川県で分離された結核菌について遺伝子型の動向を把握し、今後の結核感染症の拡大防止に寄与する。
(健康・食品安全科学部)
インフルエンザウイルス以外の呼吸器感染症起因ウイルスの中には、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスなど、乳幼児に対して臨床的に重要なウイルスが含まれる。これらのウイルスによる感染症は、感染症発生動向調査事業の病原体サーベイランスの対象疾病ではないことから、県内での流行状況は不明である。本研究にて、呼吸器感染症起因ウイルスの検索を行い、その流行状況を把握するとともにウイルスの特性を解明することにより、小児における呼吸器感染症に関する診断及び治療並びに感染症対策の一助となる情報の提供を行うことが可能となる。
(健康・食品安全科学部)
農薬等の残留基準は、現在までに約860種類に定められている。
平成25年の液体クロマトグラフ・タンデム質量分析計(LC-MS/MS)の導入により、大幅な感度上昇や選択性の向上が図られ、前調査研究により迅速に検査できる体制を確立した。今般、LC-MS/MSと同様に感度選択性の向上が期待されるガスクロマトグラフ・タンデム質量分析計(GC-MS/MS)が導入されたことから、両機器を統合的に運用し、検査対象農薬等の拡大に努め、また、今後予想される検査対象農産物数の増加にも対応するため、簡易迅速分析法を同時に確立し、県民の食の安全・安心に関する検査体制を強化していく。
(健康・食品安全科学部)
1,4-ジオキサンは平成25年から、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の監視対象物質に追加された新たな物質であり、水道法及び水質汚濁防止法にもとづく基準が定められている。その物性(親水性・難分解性)から排出源の対策が重要であり、環境への排出源の一つである廃棄物埋立処分場からの排出実態を調査し、その効率的な除去方法を検討することにより、廃棄物埋立処分場設置事業者に適切な指導・助言を行うことが可能となる。
(環境科学部)
臭素系難燃剤の一つである「ポリブロモジフェニルエーテル類」は、POPS条約対象物質であり、プラスチック製品や繊維等の難燃剤として使用されていた残留性有機汚染物質である。その内10臭素化物がPRTR対象物質として県内での使用が確認されているが、その県内の環境中濃度分布は明らかとなっていない。これらは環境基準が定められていないが、環境残留性、生物蓄積性が懸念されている化学物質であることから、県内濃度分布を把握することは重要であり、本研究では県内全域での環境汚染実態を把握することを目的とする。
(環境科学部)
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