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第五は、「魅力が輝き交流が盛んな地域づくり」についてであります。
新幹線開業二年目となる昨年の観光客の入り込みにつきましては、先に申し述べたとおり、金沢はもとより、加賀や能登においても、引き続き、開業効果が持続しているところであります。今後は、開業効果の持続・発展に向け、陸・海・空の交流基盤と新幹線を連携させ、相乗効果を生み出し、交流人口のさらなる拡大につなげていくことが重要であります。
金沢港につきましては、近年、コンテナ貨物の取扱量が増加しており、重量ベースで、全国の重要港湾中第二位となっております。
また、クルーズ船の寄港については、本州日本海側の中心に位置し、背後に世界的に評価の高い観光資源を有するという優位性に加え、新幹線開業により「レールアンドクルーズ」が可能となったことから、本年は、昨年の三十本を大きく上回り、過去最高の五十四本のクルーズが予定されております。とりわけ乗船前や下船後の宿泊が期待でき、経済効果が高い金沢港発着クルーズは、本州日本海側の港湾でトップの四十本となり、同じく過去最高となっております。二年目となる日本海周遊クルーズにつきましては、昨年の乗船率が九割と極めて高くなったことが、船会社から高く評価され、本年は、運航期間が一カ月半から半年に拡大し、本数は三倍以上に増加することとなりました。このため、本年は、金沢港発着クルーズの定着に向けた正念場であり、より一段と踏み込んだ利用促進を図ってまいります。具体的には、クルーズセミナーの開催に加え、首都圏や関西圏において、新たに鉄道事業者と連携した旅行窓口でのキャンペーンやイベントでの情報発信により、認知度のさらなる向上を図るほか、経済効果の高い前後泊付きの旅行商品の造成支援などに取り組むことといたしました。
こうした金沢港を取り巻く大きな環境変化を踏まえ、ハード面における金沢港の機能強化を図るため、「金沢港機能強化整備計画(仮称)」を策定することといたしました。具体的には、急増するクルーズ船の乗客の利便性向上に向け、老朽化している「金沢みなと会館」を改築し、現在仮設テントで対応しているCIQや待合施設を新たに整備するとともに、無量寺ふ頭へのアクセス向上のため、五十メートル道路から直接進入できる道路や大型クルーズ船の寄港にも対応できる規模の駐車場を整備したいと考えております。さらに、無量寺ふ頭と戸水ふ頭の一体的な活用を図るため、両ふ頭の間にある船だまりを埋め立てるとともに、無量寺ふ頭や戸水ふ頭に点在し、荷役作業が非効率な状況となっているコンテナ上屋を集約する方向で計画を策定してまいります。
これらの機能強化については、三月から工事着手する無量寺岸壁の水深十メートル化の整備に合わせ、東京オリンピック・パラリンピックの開催前年である平成三十一年度までの完成を目指したいと考えております。このため、第一次三月補正予算において整備計画策定の経費を計上し、本年度中に策定に着手するとともに、来年度は、速やかに基本設計を行うこととし、所要の経費を当初予算に計上したところであります。今回の整備により、クルーズと貨物の両面から、金沢港の機能強化を図り、日本海側の拠点港としての受け皿を整備してまいりたいと考えております。
七尾港につきましては、通貨安により北洋材の価格が低下していることから、これを追い風に輸入の拡大を図るため、ロシアから木材加工品を輸入するトライアル輸送を実施するなど、木材業者の多様なニーズに応えることのできる木材物流の総合拠点港を目指してまいります。
戦略的な観光誘客の推進につきましては、本年度二百億円で造成した「ほっと石川観光プラン推進ファンド」を活用し、国内誘客に向けた戦略的なプロモーションや海外誘客の推進、県内各地での魅力づくりなどにより、観光プランに掲げた目標の達成に向け、入込客数のさらなる上積みを図ることとしております。
国内誘客につきましては、今後も入込客数の伸びが期待できる首都圏を中心に、情報発信や誘客拡大に向けた取り組みを重点的に実施いたします。まず、JRと北陸三県等が連携し、年間を通じた誘客キャンペーンを継続的に展開することが決定したところであり、首都圏等の主要駅でのポスターの掲示や旅行会社での店頭キャンペーンによるPRを実施いたします。また、県内の三つのプロスポーツチームが、首都圏等での試合の際に本県の魅力を発信する取り組みを支援することといたしました。来月にも、これらのプロスポーツチームと協定を締結する運びとなったところであり、その際に、試合時に使用する本県の観光をPRするための横断幕を贈呈することといたしました。
さらに、新幹線開業後、首都圏からの修学旅行が増加していることから、修学旅行の手配に豊富な経験を有する旅行会社OBを東日本誘客推進室に新たに配置し、戦略的に修学旅行を誘致する体制を強化いたします。
また、関西・中京圏や新たな重点地域と位置付けている東北地方においても、JRや大手私鉄と連携した情報発信や、自動車ユーザー向け会員情報サイトでのPRなどにより、四季を通じた誘客プロモーションを行うこととしております。
海外誘客につきましては、昨年の兼六園の外国人入園者数が過去最高となったところであり、引き続き、北陸新幹線の沿線自治体や交通事業者と一体となって、新たなゴールデンルートの定着促進を図ってまいります。経済効果が高い富裕層の誘客につきましては、世界の富裕層向け高級ホテルやレストランで組織する「ルレ・エ・シャトー」との間で昨年締結した合意書に基づき、自治体として初めて同組織が主催する商談会に参加するほか、京都市等と連携し、フランス・カンヌで開催される富裕層専門の旅行会社が多く集まる見本市に初めて出展し、誘客の拡大を図ることとしております。
地域ならではの魅力の発信につきましては、岐阜県、福井県と連携し、開山千三百年を迎える白山の魅力を満載した新たなガイドブックを作成するとともに、白山白川郷ホワイトロードを活用した誘客促進を図るため、開通四十周年を記念した写真展などを実施いたします。また、能登地域においても、能登ふるさと博の十周年記念イベントを開催することとしております。
次代の観光産業を担う人材の育成につきましては、宿泊・交通事業者をはじめ観光に携わる幅広い関係者が集まり、実践的な事例研究を通じて、切磋琢磨しながらお互いを高め合う「いしかわ観光創造塾」を開講いたします。本日から受講者を募集し、五月頃に開講したいと考えております。
こうした取り組みを通じ、新幹線開業効果を持続・発展させ、県下全域へのさらなる波及を図っていく所存であります。
小松空港につきましては、羽田便については、企業に対する利用頻度に応じた特典を付与するキャンペーンや福井県における利便性のPRなどにより、現在、概ね前年並みの利用状況となっております。来年度においても、地元企業を中心に積極的な利用を働きかけ、ビジネス需要の確保を図るとともに、観光需要の喚起に向け、地元発旅行商品の造成支援を強化することとし、市町や福井県と連携して、ビジネス・観光両面での一層の利用促進に努め、羽田便の利用者の確保を図ってまいります。
国際線につきましては、引き続き、航空会社と連携して、各路線の特長を活かした利用促進を図ってまいります。また、新規路線の誘致については、四月から六月にかけて過去最高となる二十二便の運航が決定した香港からのチャーター便を支援するとともに、引き続き、航空会社への積極的な働きかけを行ってまいります。
国際貨物便につきましては、本年度の貨物取扱量が、昨年度を上回る状況で推移しているところであり、さらなる貨物量の拡大に向け、荷主企業が行うトライアル輸送を支援するなど、引き続き、利用促進に努めてまいります。
今後とも、議員各位をはじめ小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、日本海側の拠点空港としての発展に向け努力してまいる所存であります。
のと里山空港につきましては、現在、前年同期を上回る搭乗率で推移しておりますが、引き続き、目標搭乗率の達成に向け、昨年、ユネスコの無形文化遺産に認定された「青柏祭の曳山行事」や日本遺産の「能登のキリコ祭り」など伝統文化や祭りを活用した旅行商品の造成を支援し、首都圏からの利用の一層の上積みを図ってまいります。また、地元市町や関係団体と一体となって地元利用の促進を図るほか、若年層の「マイ空港意識」の醸成に向け、新たに高校生を対象とした助成制度を設けるなど、首都圏と地元双方で安定した需要の確保を図ってまいります。
道路網の整備につきましては、「ダブルラダー輝きの美知」構想に基づき、引き続き、のと里山海道の四車線化、金沢外環状道路海側幹線、加賀海浜産業道路などの幹線道路の整備を推進することとしております。
新幹線敦賀開業に向けた観光誘客の拡大や地域の魅力づくりにつきましては、庁内に部局横断のワーキングチームを設け、まずは、金沢開業の効果について検証することとしております。また、敦賀開業時に経営分離される金沢以西の並行在来線対策につきましては、来月にも、県内全市町や経済団体等で構成する検討会を立ち上げ、金沢以東の区間で実施した対策も踏まえ、検討を進めることとしており、来年度は、その検討の基礎データとなる旅客流動調査を行うなど諸準備を進めることとしております。
県内を代表する白山眺望が楽しめる木場潟公園につきましては、さらなる来園者の増加や魅力向上のため、東園地の整備に向けた基本計画の策定を進めてまいります。
全国の緑化団体等の関係者が一堂に会する「全国『みどりの愛護』のつどい」につきましては、先般、開催日が六月十日に決定いたしました。会場となる兼六園周辺文化の森は、多くの文化施設が立地する本県を代表する緑豊かな文化空間であり、本県の魅力を全国へ発信できるよう工夫を凝らし準備に万全を期してまいります。
いしかわ動物園につきましては、八月に、白い毛並みが美しく、世界的にも希少なホワイトタイガーの導入が決定したところであり、トラの展示施設の増築に着手いたします。
また、のとじま水族館につきましては、老朽化が進んでいる回遊水槽を改修し、来年春のリニューアルオープンに向け、工事に着手することといたしました。
以上
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