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第一は、「個性と魅力にあふれる文化と学術の地域づくり」についてであります。
文化振興につきましては、平成二十七年に「いしかわ文化振興条例」を制定し、条例を拠り所に、全国最大の百二十億円の「いしかわ県民文化振興基金」による助成など、ソフト面を中心として、施策の一層の充実を図っているところであります。これに加えて、今後は、東京国立近代美術館工芸館の移転整備や新県立図書館の整備という本県の文化にさらなる厚みを加えるハード事業が本格化してまいります。
また、スポーツの分野では、昨年のリオデジャネイロ・オリンピックにおいて未だかつてない三名もの本県出身のメダリストが誕生し、これまでになく県民に夢と感動を与えたところであります。一方、新教育委員会制度の発足により、知事が教育長を直接任命することとなり、スポーツ行政における知事の役割が大きくなっているところであります。
こうした文化とスポーツを取り巻く大きな環境の変化を踏まえ、教育委員会から知事部局に学校体育を除くスポーツ行政を移管し、「県民文化局」を「県民文化スポーツ部」に改組し、文化とスポーツの分野でさらなる高みを目指すとともに、裾野の拡大を図るための体制を強化することといたしました。
東京国立近代美術館工芸館の移転整備につきましては、国等と協議をしながら、東京オリンピック・パラリンピック開催時期の開館を目指し、基本設計を進めているところであります。具体的には、現在の工芸館では二区画ある展示スペースを、三区画に増やし、企画展などを柔軟に開催できるようにするほか、多様な体験イベントなどの実施による賑わい創出のため、多目的スペースを新たに設置したいと考えており、来年度から実施設計に着手いたします。
東京オリンピック・パラリンピックは、スポーツのみならず文化の祭典ともされており、オリンピック憲章では、開催国において様々な文化事業を「文化プログラム」として実施することを求めております。このため、国は、全国各地での「文化プログラム」の実施を推進しているところであります。本県では、石川ならではの「文化プログラム」として、工芸館の整備と歩調を合わせ、伝統工芸の発信や裾野の拡大に向けた様々な事業を「いしかわの工芸文化魅力発信・向上プログラム」として全国で初めて一体的に展開することといたしました。
具体的には、全国から工芸関係者が参加し、県内各地の美術館や高等教育機関などにおいて、シンポジウムや展示会を開催する工芸の祭典「二十一世紀鷹峯フォーラム」が、三大都市圏以外で初めて開催されます。このフォーラムとの相乗効果を発揮させるため、開催期間となる十月から十一月にかけて、県立美術館において「東京国立近代美術館工芸館名品展」を開催するとともに、重要文化財「百工比照」の特別展示を実施するほか、伝統産業振興の観点から、しいのき緑地で県内各産地による伝統的工芸品の展示販売を実施することといたしました。
また、東京オリンピック・パラリンピックまでの間に、北陸三県において順次、「国際工芸サミット(仮称)」が開催され、本県については、オリンピック・パラリンピック開催年である二〇二〇年の開催が決定しているところであります。これを契機に、サミットの開催をPRするとともに、伝統産業振興にもつなげていくため、東京で開催される国内最大の生活用品見本市に、北陸三県が共同出展することといたしました。
さらに、県民や観光客の皆様に伝統工芸の魅力に触れていただく機会を数多く提供するため、人間国宝の方などによるリレー講演や、次代を担う若手後継者を育成する輪島塗や九谷焼、山中漆器の研修所の見学ツアーなどを、県内各地で年間を通して実施いたします。
こうした伝統工芸に関する一連の文化イベントの開催を通じ、「工芸王国・石川」の奥深い魅力を強力に発信してまいります。
伝統芸能の国内外への発信につきましては、「茶屋文化」を気軽に体験できる「金沢芸妓の舞」について、新たに外国人向けの公演を実施するほか、本県ならではの一流の能楽を鑑賞できる「観能の夕べ」についても、能楽師のガイドによる舞台体験や見学ツアーを新たに実施することといたしました。
本県の音楽文化の発信につきましては、ゴールデンウィーク期間中のこれまでの音楽祭に代え、新たに「いしかわ・金沢『風と緑の楽都音楽祭』」を開催いたします。新たな音楽祭では、オーケストラ・アンサンブル金沢をはじめ、藩政期から受け継いできた邦楽、さらには、「いしかわミュージックアカデミー」を卒業した音楽家など、本県独自の文化資源をこれまで以上に活用し、多彩で魅力的なプログラムを数多く実施することとしており、ゴールデンウィークの新たな音楽祭として定着させてまいりたいと考えております。
また、本県の観光大使である仲代達矢氏が主宰する無名塾のロングラン公演が、能登演劇堂において、十月から開催されます。全国から多くの演劇ファンの来場が見込まれ、優れた舞台芸術に触れる機会となることから、必要な支援を行うことといたしました。
金沢城公園につきましては、城郭としての価値と魅力のさらなる向上に向け、第三期整備計画に基づき、鼠多門と鼠多門橋の復元整備を進めております。来年度は、鼠多門については、史実に沿った本物志向の復元に向け、工事に着手するほか、鼠多門橋についても、実施設計に着手いたします。また、二の丸御殿につきましては、本年度より総合的な調査研究を進めているところであります。その一環として、二の丸御殿の時代ごとの変遷をわかりやすく紹介する解説付きの絵図集「絵図にみる金沢城二ノ丸御殿」を来月末に刊行することとしております。研究者はもとより、広く県民の皆様の間で、二の丸御殿についての理解が深まっていくことを期待しているところであります。
新たな県立図書館につきましては、先般開催された基本構想検討委員会において、中間とりまとめがなされたところであります。基本コンセプトを「県民に開かれた文化立県・石川の新たな『知の殿堂』」とし、従来の図書館機能に加え、公文書館機能と生涯学習機能を一体的に備えるほか、「石川コレクション(仮称)」として本県が誇る多彩な伝統文化などの資料等を収集するという方針が示されたところであります。今後、県議会でのご議論や県民の皆様からのご意見も踏まえ、本年度内に基本構想を策定することとしております。来年度は、基本設計に着手することとしており、整備に向けた体制を強化するため、「県民文化スポーツ部」に「新図書館整備推進室」を設置いたします。新たな図書館においては、近年開館した都道府県立図書館でトップクラスとなる三十万冊を開架できる閲覧室や、長期的に十分な収蔵能力を有する書庫、さらには、展示やイベントなど多様な用途に活用できる空間を設けたいと考えており、「石川の『知の殿堂』」にふさわしい図書館となるよう、鋭意整備を進めてまいります。また、小立野通りから金沢大学工学部跡地を通り、金沢外環状道路山側幹線を結ぶアクセス道路につきましても、設計に着手することといたしました。
スポーツの振興につきましては、オリンピックをはじめとする国際大会等で活躍するトップアスリートの育成など競技力のさらなる向上を図るため、県、体育協会、学識経験者等からなる「いしかわ競技力向上方策検討会議(仮称)」を設置いたします。加えて、競技団体による指導者の資質向上や組織的な選手強化に向けた取り組みを支援するモデル事業を新たに実施することといたしました。検討会議においては、これまでの取り組みを検証し、中長期的な視点に立ち、より効果的な競技力の向上方策について検討してまいります。
東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致につきましては、これまでの本県の積極的な働きかけが実を結び、ニュージーランド・カヌー連盟から東京オリンピックに向けた強化合宿を本年から継続的に実施する意向が示されたところであります。こうしたことを踏まえ、国内唯一のカヌー・スプリント競技のナショナルトレーニングセンターである木場潟カヌー競技場の機能強化のため、小松市が実施するトレーニング場の整備を支援することといたしました。今後とも、市町や競技団体と連携しながら、中央競技団体などの関係機関を通じた情報収集や諸外国への広報活動を行い、事前合宿の誘致に向けて積極的に取り組んでまいります。
西部緑地公園陸上競技場につきましては、老朽化している大型映像装置をリニューアルし、日本海側で最大規模の画面サイズとするなど、映像・音響設備の機能向上を図ることといたしました。
以上
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