ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 県議会の議案説明要旨 - 平成22年6月7日 - > 県議会の議案説明要旨 - 平成22年6月7日 - 6.「安全でうるおい豊かな環境づくり」について
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第六は、「安全でうるおい豊かな環境づくり」についてであります。
医療提供体制の確保につきましては、昨年度末に五十億円の地域医療再生臨時特例基金を造成したところであり、今後、これを活用し、平成二十五年度までの四年間で、能登北部地域、南加賀地域を中心に、医師や看護師の確保対策、周産期医療体制や救急医療体制の強化など、本県における地域医療の更なる充実を図っていくこととしております。
まず、医師の確保対策につきましては、金沢大学と金沢医科大学において、能登北部地域を中心として、地域医療のあり方をテーマに、現地での診療支援を兼ねた実地研究を伴う六つの寄附講座とこれに準ずる研究事業を実施することといたしました。
こうした取り組みにより、今年度は常勤・非常勤を合わせて二十名の医師が診療支援にあたることとなり、医師宿舎の整備や医療機器の整備などと合わせて、今年度における能登北部地域からの要請には応えられるものと考えております。
南加賀地域におきましては、救急患者全体の数が増加傾向にある中で、県外や圏域外への患者の搬送件数も増加しており、圏域内の救急患者の受入体制の強化が大きな課題となっております。こうしたことから、重篤な患者を円滑に受け入れることができるよう、地域の中核病院である小松市民病院の体制を強化し、救急医療の拠点となる「南加賀地域救急医療センター(仮称)」として整備すると同時に、一般の救急患者についても、圏域内の受入体制を強化することなどについて、検討を行うための協議会を立ち上げることといたしました。
高度周産期医療体制の強化につきましては、県内の新生児集中治療室の稼働率が近年高い水準で推移していることから、県立中央病院と金沢医科大学病院におきまして、新生児集中治療室を増床するとともに、新生児用の人工呼吸器など必要な医療機器やドクターカーの整備を行い、患者の受入体制の充実を図ってまいります。
看護師の確保対策につきましては、能登北部地域において、新卒看護師の確保が難しくなっていることから、平成十九年度に、この地域の公立病院に勤務しようとする看護学生を対象に、修学資金貸与制度の特別枠を設けたところでありますが、今回、その新規貸与枠を十人から二十人に拡大し、新卒看護師の確保を更に図ることといたしました。
広域連合が運営する後期高齢者医療制度につきましては、保険料率を据え置くため、今般、財政安定化基金を活用して、その運営を支援することといたしました。
本年一月に発生した金沢市上山町地内の土砂災害につきましては、四月一日付けで国の災害関連事業の採択を受け、本格的な復旧工事を鋭意進めているところであります。今後は、年内の完成を目指すと同時に、一日も早く避難勧告が解除されるよう、金沢市とも連携し、全力で取り組んでまいります。
警察署の整備につきましては、「警察署機能強化計画」において、松任警察署と鶴来警察署を統合して新設することとされた「白山警察署」について、この度、平成二十四年四月の供用に向け、来年一月にも庁舎の建設工事に着手することといたしました。
地球温暖化防止につきましては、国民生活のあらゆる場面において、温室効果ガスの排出抑制に向けた取り組みを更に進めていくことが必要であります。本県においても、県民エコライフ大作戦の展開やいしかわ版環境ISOの普及など、民生部門を中心に多様な施策を展開し、取り組みの裾野の拡大を図ってきたところであります。
現在、国においては、温室効果ガスを二〇二〇年までに、一九九〇年比で二十五パーセント削減するという目標の達成に向けた対策が議論されているところであり、今後到来するであろう本格的な低炭素社会に備えた取り組みが求められております。そのため、新たに温室効果ガスの大幅な削減を達成した家庭を「スーパー家庭版環境ISOファミリー」として認定し、その先導的な取り組みを普及させることにより、民生部門での取り組みを更に拡充していきたいと考えております。
また、産業部門においては、県内企業が地球温暖化対策に取り組む上での課題や対応策について検討を行う研究会を設置するとともに、環境負荷の低減に配慮した優れた製品・サービスの表彰制度を創設し、環境対策のリスクをチャンスと捉え、コストを投資と捉える企業マインドの醸成を図ることとしております。
生物多様性の確保につきましては、本年は国連が定めた「国際生物多様性年」であり、十月には名古屋市で「生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)」が開催され、十二月には本県でクロージングイベントが開催されます。
こうしたことも踏まえ、県民の皆様に生物多様性に関する理解を深めていただく「いしかわの里山里海展(仮称)」を八月に開催することとしております。
また、今年秋には、現在策定中の「生物多様性戦略ビジョン」を取りまとめることとしており、その普及啓発を図るための「里山里海の生物多様性シンポジウム(仮称)」を開催いたします。さらに、多様な主体が参画する新しい里山の創造に向け、その利用・保全活動を認証するための「いしかわ版里山づくりISO(仮称)」を創設し、そのための指針の策定に着手するなど、ビジョンの具体化を図る取り組みを先取りして展開してまいります。
トキの分散飼育につきましては、本年四月二十五日、待望のヒナが誕生いたしました。昭和三十六年に穴水町で巣立ちが確認されて以来、約半世紀ぶりの本県でのヒナ誕生であり、深い感慨を覚えるものであります。今後、種の保存に貢献できるよう、ヒナの健やかな成長に万全を期すとともに、トキの飼育・繁殖技術の更なる向上を図ってまいります。
また、昨年六月、白山で約七十年ぶりにライチョウが発見され、昨年十月の調査でも生息を確認することができました。国の特別天然記念物であるニホンライチョウについては、地球温暖化の影響などにより、近年その数が急激に減少し、絶滅危惧種に指定されているところであります。
今回、いしかわ動物園におけるトキの飼育・繁殖技術と種の保存への積極的な貢献が評価され、(社)日本動物園水族館協会を代表する上野動物園や、有識者で構成されるライチョウ会議から、将来的なニホンライチョウの種の保存への貢献に向け、飼育・繁殖技術の習得に取り組むことについて要請を受けました。このため、上野動物園から近縁種であるスバールバル・ライチョウを受け入れるための飼育展示施設をいしかわ動物園に整備するとともに、飼育研修のため、上野動物園に職員を派遣することといたしました。
以上
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