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鎌倉時代
白山比咩神社 白山市三宮町2-105
阿形 像高 98.0センチ
吽形 像高 97.0センチ
重要文化財 昭和25年8月29日指定
檜材、一木造で、総体に黒漆を塗り、唇に朱、歯牙に金泥を施す。頭部を大きく彫り出し、肉付きのあるたくましい胸を強く張る。その上体を支えるように太い前肢を立ててふんばり、後肢は曲げて腰をおとして坐る狛犬である。鬣は、阿形像を巻毛、吽形像を流し毛の様式で表わす。背をおこした反りの強い背筋の線や、力強く堂々とした体躯など、鎌倉時代の特色を十分に示し、全国的にも秀作の一つに数えられるものである。
白山本宮の後身である白山比咩神社の拝殿に安置され、社伝では、藤原秀衡の寄進の伝承があるが、年代的にずれるようである。
昭和60年「石川県の文化財」より
平安時代
白山比咩神社
像高 獅子 86.0センチ
狛犬 85.9センチ
重要文化財 平成元年6月12日指定
もと本殿外陣に安置されていた大型の獅子狛犬一対像である。阿形の獅子、吽形の狛犬とともに桧の前後縦三材に後肢に横一材を引き寄せる構造で、漆塗彩色仕上げとしている。神社の守護獣としての獅子狛犬像は、平安時代以来数多く造立されたが、軒下とはいえ社殿の階上椽におかれる中型以上の平安期に遡る古例は極めて少ない。滋賀・御上神社、京都・藤森神社に伝存する狛犬はその稀有の遺例として重要文化財に指定されているが、その他では広島・厳島神社に伝わる一回り小さい二対が知られるに過ぎない。本一対像はこれらに比べて一段と大型のものであるが、前肢を揃えほぼ正面向に前傾する姿、後方へと軽快に流れるたてがみ、穏やかな筋骨の表現など極めてよく似ており相近いころの造像であることを思わせる。現状、像表面の彩色は全て剥落し、漆下地をあらわしているが、材の朽損等少なく、獅子の耳、狛犬の頭頂の一角を失い、狛犬の尾を補作するほか、保存状態の良いことも賞され、異例の稀な平安期獅子狛犬の優れた大作である。
鎌倉時代
津波倉神社
(小松市立博物館保管 小松市丸の内公園町19)
像高 35.5センチ(頭頂より)
重要文化財 平成19年6月8日指定
木造朱漆黒漆塗(現状)。元亨2年(1322年)、土豪とみられる景久(伝不詳)の施入銘があり、獅子頭の在銘品のなかで6番目に古い作例である。鼻が短く前後が詰まり丈高な、力強い作風に鎌倉時代の特徴をよく示している。
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