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江戸時代~明治時代
宗教法人剱地八幡神社及び剱地区(輪島市門前町剱地レ136)
〔長福丸・長徳丸〕
〔難船図〕
県指定有形民俗文化財 令和6年3月22日指定
輪島市の南西端の海岸沿いに位置する剱地地区は、江戸時代後半から明治時代中頃にかけて西廻り航路を往来した商船、いわゆる北前船に携わった人が多く居住し、鎮守である剱地八幡神社には往時の船主や船頭等が、航海の安全を祈願ないし感謝し、あるいは船の新造の祝い等の折々に奉納した船絵馬42点が伝わっている。
船絵馬は文化9(1812)年から明治16(1883)年までの年代が記されており、江戸時代後半から明治時代前半にかけて連綿と奉納されている。奉納は地元船主によるものと思料され、剱地の西屋、中嶋屋、中屋といった家名は史料にも見られる。製作者は判明しているものでは北前船が出航・帰港した大坂の絵師である。絵柄は北前船1艘の帆走する姿を側面から描いたものを主体とする他、数艘の船の図や難船図がある。
視点を広げて見ると、能登には海岸沿いに多くの集落が営まれ、地区の寺社に海運に関わる奉納物等を残す事例は多いが、剱地八幡神社奉納船絵馬はそれらと比較して点数が多く、長期間の連綿とした奉納が突出しており、特に重要である。
これらの奉納船絵馬は、県下の海運と関わりが深い地域の特色をよく示している。特にその信仰・習俗を理解する上で欠くことができない資料として貴重であり、有形民俗文化財に指定し、その保存を図るものである。
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