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江戸時代~明治時代
宗教法人粟崎八幡神社(金沢市粟崎町ヘ49)
〔粟崎七ツ山背景〕
〔万徳丸〕
県指定有形民俗文化財 令和6年3月22日指定
金沢市の北部、河北潟と日本海を結ぶ大野川の右岸河口近くから海浜部にかけて位置する粟崎地区は、江戸時代に豪商の木谷藤右衛門を輩出する等、海運との関係が深い地域であり、鎮守である粟崎八幡神社には船絵馬14点等が奉納され、大切に保管されている。
船絵馬は、船主や船頭等が、航海の安全を祈願ないし感謝し、あるいは船の新造を祝し、ゆかりの寺社に奉納したものである。その絵柄は西廻り航路を往来した商船、いわゆる北前船1艘の帆走する姿を側面から描いたものを主体とする。
粟崎八幡神社の船絵馬は、文化8(1811)年から明治9(1876)年にかけての年代が記されており、江戸時代後半から明治時代前半にかけて奉納されている。奉納者は14点のうち長大な3点を含む7点が木谷家であり、往時の繁栄を物語る。製作者は11点が判明しており、その多くは北前船が出航・帰港する大坂の絵師である。絵柄は前述の他、船を正面から描いたものや、数艘の船を描いたものもある。船の喫水線や装備の書き分けによる積荷の状況の表現等は精緻であり、粟崎の一帯の風景を活動する人物等も含めた描写は風俗画としても注目に値する。
これらの奉納船絵馬は、県下の海運と関わりが深い地域の特色をよく示している。特にその信仰・習俗を理解する上で欠くことができない資料として貴重であり、有形民俗文化財に指定し、その保存を図るものである。
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