ホーム > 観光・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 文化財 > 石川の文化財 > 考古資料(県指定) > 珠洲四耳壷 穴水町字明千寺、明泉寺境内 永享3年在銘石造五輪搭下出土・珠洲鳥樹文小壷 珠洲市宝立町春日野法住寺出土
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室町時代中期
明泉寺 鳳珠郡穴水町字明千寺ルの18の1
高さ38.8センチ 口径9.8センチ
胴径35.2センチ 底径14.6センチ
県指定文化財 昭和61年8月22日指定
この四耳壷は昭和29年(1954)明泉寺境内通称を鎌倉屋敷という中世墓地で、墓地中央奥、源頼朝の墓と伝承されている宝篋印塔の左側に位置する永亨3年(1431)8月27日在銘の五輪塔下から発見された蔵骨器であり、珠洲陶の室町中期の基準作例として重要である。肩部に独特の鰭耳をつけた四耳壷は、能登以外での出土例は稀有であるが、やや単調な珠洲陶の後半期を彩る特色ある器種である。それらの中において、この四耳壷は、淡灰色をなす器膚のすみずみまで入念に箆磨きされてつややかであり、肩に白胡麻ふりの自然釉がたっぷりかかっている。現存する珠洲陶では最高の精品の1つで、在地領主層の特注品として製作されたと考えられ特に貴重である。
室町時代
石川県立歴史博物館 金沢市出羽町3-1
高さ21.4センチ 口径12.4センチ
胴径20.5センチ 底径9.6センチ
県指定文化財 昭和61年8月22日指定
珠洲窯跡群の中核をなす法住寺窯跡群に近接して所在する中世墳墓の一角である丘麓の民家の裏庭から出土。内部には骨片は遺存していなかったが、壷・片口鉢などの納骨容器類と伴出したことから蔵骨器と推定される。器高と胴径がほぼ同じ球胴の小壷で、打圧調整時の凸凹をわずかにとどめる体部外面に樹木と鳥がヘラ状具で線刻される。三方に配された樹木は、大地に根をはった杉もしくは松と思われ、うち1本の樹上には飛翔する鳥が、さらに樹間に配された小枝の下にも1羽の鳥が添えられている。刻画の意匠は、形象化した稚拙なものであるが、稚趣に富み、常磐木に生命の再生あるいは豊饒を祈念した樹木信仰がうかがえよう。画題は東海の瓷器形諸窯との交渉によって触発されたものとはいえ、奥能登の風土にはぐくまれた珠洲陶の独自性を示す代表的資料として重要である。
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