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古墳時代中期(5世紀)
能美市
能美市立歴史民俗資料館 能美市寺井町を20番地
県指定文化財 令和2年2月12日指定
下開発茶臼山古墳群は手取川左岸の中流域に広がる辰口丘陵の北西部に立地する古墳時代中期から後期にかけての古墳群であり、28基の円墳が確認されている。
9号墳は中央尾根の先端部に位置する最大径17.2mの円墳で、周溝を有する。昭和63年度~平成元年度に辰口町教育委員会(当時)が実施した発掘調査によって、埋葬施設から大量の副葬品が出土した。
埋葬施設は2基が並んで検出され、祭祀具(銅鏡)、装身具(玉類、櫛)、武器(鉄鏃等)、武具(短甲、冑等)、工具(鉄斧等)等が出土しており、古墳時代中期前半(5世紀前半)に位置付けられる。
このうち、武具は三角板革綴短甲と竪矧板革綴衝角付冑の組み合わせであり、加賀地域では最古の出土例となる。冑は革綴から鋲留への過渡期の型式を示しており、全国的に希少である。
また、装身具が大量に出土しており、翡翠、瑪瑙、緑色凝灰岩、滑石、ガラス製の多種多様な玉類と、県内最多となる竪櫛の出土は特筆される様相である。
以上のように茶臼山9号墳出土品は、加賀地域の古墳時代中期における古墳副葬品として、武具や装身具が卓越する等の顕著な特長を有しており、当時の政治・社会を考える上で重要な考古資料であることから、有形文化財に指定して保存を図るものである。
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