ホーム > 連絡先一覧 > 金沢城調査研究所 > 調査研究 > 金沢城編年史料等の編纂 > 金沢城編年史料(仮称)等の編纂(28年度)
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平成14年度より本格的に進められた金沢城の調査研究事業によって、新たに多くの文献史料を得ることができた。なかには発掘調査や建造物調査等で確認された出土文字史料や金石文等も含まれており、第2期事業では、従来から知られた史料とともに総合的な編年史料集の編纂事業を行うこととしている。
平成28年度は「総合年表 前編」の内容検討を行うとともに、『金沢城普請作事史料5』の編集作業を行った。
天正から慶長期、及び宝永元年から宝暦8年までの項目を中心に綱文や典拠史料を所内で検討し、次の原則でリストの見直しを行った。
(a)同時代の文書・日記等(写本を含む)
〔文書〕
・原史料を優先し、原史料による確認作業を心がけた。
・原史料が失われ、後代の写本に拠るものについては、写本相互の比較検討を行った。
〔日記類〕(写本を含む)
・藩士の日記や手控などは、書き主が在国中なのか在府なのかなど史料の性格を勘案しながら確認作業を行った。
・「中川長定覚書」「前田貞幹手記」(以上、加越能文庫)など金沢市立玉川図書館等に所蔵される史料を広く調査した。
(b)二次史料(後代成立の史料)の検討
『加賀藩史料』に収録されている二次史料や新たに確認できたもののうち、とくに重臣今枝直方の覚書(「つれづれ」(加越能文庫)、「甲子聞書」(加越能文庫)など)や「護国公年譜」(加越能文庫)、「大応公御年譜」(加越能文庫)などの藩主年譜等の検討を行った。
※護国公とは6代藩主前田吉徳、大応公とは7代藩主前田宗辰
一次史料の原本確認や良質の二次史料の伝本を確認するため、県内外での調査を行った。
・県内では金沢市立玉川図書館はもとより、石川県立図書館や前田土佐守家資料館等で調査を進めた。
・県外では東京大学史料編纂所や前田育徳会等の所蔵機関において調査を行った。
・刊行史料集をはじめ、全国博物館の図録等幅広く関連史料の調査を行った。
〈参考 平成28年度の主な成果〉
7月14日 第1回専門委員会
9月8日~9日 東京大学史料編纂所調査
9月28日 編年史料に係る打ち合わせ(金沢城編年史料編纂協力員)
9月29日~30日 筑波大学・東京国立博物館調査
11月16日 十村岡部家文書(宝達志水町)調査
11月24日~25日 名古屋市蓬左文庫調査
1月31日~2月1日 佐賀城本丸歴史館・福岡県立図書館調査
3月2日~3日 前田育徳会調査
3月7日 第2回専門委員会及び金沢城編年史料編纂協力員合同会議
※なお、金沢市立玉川図書館、石川県立図書館等の機関での調査は随時行った。
江戸初期から前期にかけての金沢城の動きを知る上で不可欠な「三壺聞書」は、すでに昭和6年(1931)日置謙所蔵本により活字化されている(石川県図書館協会発行)が、これまでの調査で全国に28種類の写本が確認でき、14巻構成がオーソドックスなものであることがわかった。今回の翻刻では、そのなかでも、より原本に近いと思われる石川県立図書館森田文庫本を底本として用いた。
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