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室町時代
白山神社 珠洲市
(石川県立歴史博物館保管 金沢市出羽町
額の高さ 22センチ
県指定文化財 昭和58年1月25日指定
今日、我が国の祭礼等の獅子舞に用いられる獅子頭に2通りある。 1つは伎楽・舞楽などに見られるように、獅子頭を頭上に載せて舞うものであり、もう1つは加賀の獅子舞のように、獅子頭を両手に持って舞うものである。従って、頭上に載せるのと両手で持つのとでは、獅子頭の内部構造におのずから差異がある。加賀獅子は両手で獅子頭を持つので、獅子頭の内部に手で持つ⊥形の握り棒があるが、伎楽系の獅子頭にはそれがないのが特徴である。この白山神社獅子頭は、当地区に古くから伝わる祭礼に、頭上に載せて舞った獅子頭であり、内部に握り棒のない伎楽系の獅子頭といえる。頭内部の応安5年(1372)銘が、その古さと伝統を明示している。
昭和60年「石川の文化財」より
鎌倉時代
久麻加夫都阿良加志比古神社 七尾市中島町字宮前ホ部68番地1の1
総高 151センチ
県指定文化財 昭和60年4月5日
当社境内の薬師社に安置されてある薬師如来坐像は、『能登名跡志』に、「能登十二薬師」の1つ、「熊木薬師」として、能登作仏薬師とともに、藩政時代に著名であった、と記されており、久麻加夫都阿良加志比古神の本地仏は、薬師如来とされている。この結跏趺坐(吉祥坐)像の構造は、首と胴がつながる一木造であり、頭部は、耳後で縦に項まで割り、螺髪は切付造、目は彫眼。胴は背部で割り、背刳、背板は鎹留。のちに漆にて布張り補強。衣文の彫りは浅く、特徴が乏しく、図式的である。右手は、肩で添え木がなされ、肘手首でほぞ差しの上、鎹で接合。左手は、手首まで造り、長ほぞで袖口に差し込む。膝部は、横木内刳。底部は、別木で底板張りされており、 後補。割合比例や造像技法から見て、平安時代後期の地方仏師の秀作と見られる。
昭和60年「石川の文化財」より
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