エムポックス(旧:サル痘)について
どんな病気?
- エムポックスウイルスの感染により、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、発疹などの症状が現れるウイルス感染症です。
- これまで、主にアフリカ大陸で流行していましたが、2022年5月以降、世界各地でエムポックス患者が確認されるようになり、日本では、2022年7月に1例目の患者が確認されて以降、患者の発生が続いています。
○ エムポックスについて(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
○ エムポックスに関するQ&A(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
○ エムポックスとは(国立感染症研究所ホームページ)(外部リンク)
症状は?
- 潜伏期間は、5日~21日です。
- 発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などが1日~5日続き、その後、発疹が出現します。
- 発疹は、顔面から始まり、体幹部に拡がっていきます。発疹は皮膚だけではなく、口腔、陰部の粘膜、結膜や角膜にも生じることがありますが、特に初期においては、水痘や麻しん、梅毒などその他の発疹を呈する感染症との鑑別が困難なことがあります。
- 発疹は、初期は平坦ですが、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となります。
- 多くの場合、2~4週間で自然に治りますが、小児や患者の健康状態、合併症などにより重症化することがあります。
エムポックスで見られる皮疹
出展:米国疾病予防管理センター(CDC)(外部リンク)
病原体と感染経路
1.病原体
- エムポックスは、エムポックスウイルスという病原体が感染することにより発症します。
- エムポックスウイルスは、コンゴ盆地型(クレードⅠ)と西アフリカ型(クレードⅡa及びクレードⅡb)の2系統に分類され、コンゴ盆地型は西アフリカ型と比べて、重症化しやすく、またヒトからヒトへの感染性が高いとされています。
2.感染経路
- 主に、感染したヒトや動物の皮膚病変(発疹部位)・血液・体液との接触(性的接触を含む)により、感染します。(潜伏期間:5日~21日)
- 患者と長時間、近距離で対面することで飛沫感染することがあります。
- 患者が使用した寝具等を介した感染等も報告されています。
- また、ウイルスを保有する動物(リス等のげっ歯類や、サル、ウサギなど)に咬まれることや、接触することで感染することがあります。
治療法と予防法
- 特異的な治療法はなく、対症療法を行います。(多くの場合、2~4週間で自然に治ります)
- 日本で利用可能な薬事承認された特異的な治療薬はありません。
- 米国や欧州では、天然痘治療薬であるテコビリマット(Tecovirimat)が承認されており、エムポックスにおける有効性が示唆されています。日本でも、同薬を用いた特定臨床研究が実施されています。
- 天然痘ワクチンによって約85%発症予防効果があるとされています。
- 流行地では感受性のある動物や感染者との接触を避けることが大切です。
エムポックスを疑う症状があった場合は?
- エムポックスを疑う症状が見られた場合は、最寄りの医療機関に相談しましょう。
- 医療機関を受診する際には、マスクの着用や発疹部位をガーゼや衣服などで覆う等の対策をした上で、受診してください。
エムポックスは4類感染症です
- エムポックスは、感染症法上の4類感染症に位置づけられており、エムポックス患者もしくは無症状病原体保有者を診断した医師、感染死亡者及び感染死亡疑い者の死体を検案した医師は、直ちに届出が必要です。
- また、エムポックス疑い例を診察した医師は、管轄の保健所に連絡し、検体採取や疑い例の者への聴取、行政検査による確定検査等その後の対応について、相談してください。(詳細は、「国からの通知・参考資料等」をご参照ください)
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