Q 家庭で食中毒を予防するためにはどうしたらよいか教えて下さい。
食べ物や飲み物が原因で健康に障害を起こすことを食中毒といいます。
原因としては、病原性微生物(食中毒の原因の約90%。サルモネラ、腸炎ビブリオ、ノロウイルス等)、自然毒(きのこ、フグ等)および化学物質(殺虫剤等)によるものがあります。主な食中毒菌(ウイルスを含む)
食中毒菌に汚染された食品、水を摂取することにより腹痛、下痢、嘔吐、発熱等の急性腸炎の症状を起こします。
食中毒予防の三原則は、「清潔、迅速、加熱又は冷却」です。
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
1 食品の購入
- 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入しましょう。
- 表示のある食品は、消費期限などを確認し購入しましょう。
- 購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。
- 特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう。
2 家庭での保存
- 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
- 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは7割程度です。
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することが目安です。細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止します。しかし、細菌が死ぬわけではありませんから早めに使い切るようにしましょう。
- 肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。
- 肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前後に必ず手を洗いましょう。石けんを使い洗った後、流水で十分に洗い流すことが大切です。
- 食品を流し台の下に保存する場合は、水もれなどに注意しましょう。また、食品を直接床に置いたりしないようにしましょう。
3 下準備
- ゴミを捨て、タオルやふきんは清潔なものと交換しましょう。石けんを用意し、調理台の上はかたづけて広く使えるようにしましょう。
- 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意して下さい。
- 手を洗いましょう。
- 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、また手を洗いましょう。途中で動物にさわったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
- 肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理のすんだ食品にかからないようにしましょう。
- 生の肉や魚を切った後、まな板や包丁を洗わずそのままで、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けるとさらに安全です。
- ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。
- 冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。また、水を使って解凍する場合には気密性の容器に入れて流水を使います。
- 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。解凍した食品を使わないからといって、また冷凍したり解凍を繰り返すのは危険です。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。
- 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは使った後すぐに洗剤と流水でよく洗いましょう。ふきんの汚れがひどい時には清潔なものと交換しましょう。漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。包丁、食器、まな板などは、洗った後熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは煮沸すればなお確かです。
4 調理
- 調理を始める前にもう一度台所を見渡してみましょう。下準備で台所が汚れていませんか?タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。そして、手洗いをしましょう。
- 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。もし食中毒菌がいたとしても加熱を十分行うことで殺すことができます。目安は、中心部温度75℃で1分間以上加熱することです。料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品についたり増えたりします。途中でやめるようなときは冷蔵庫に入れましょう。再び調理をする時は十分に加熱しましょう。
- 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気をつけ、熱の伝わりにくいものは時々かき混ぜることも必要です。
5 食事
- 食卓に着く前に手を洗いましょう。
- 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
- 温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。目安は、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です。
- 調理前の食品や調理後の食品は室温に長く放置してはいけません。例えば腸管出血性大腸菌O157は室温でも15~20分で2倍に増えます。
6 残った食品
- 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
- 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
- 時間がたちすぎたら思い切って捨てましょう。
- 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。目安は75℃以上です。みそ汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。
- ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのはやめましょう。
保健福祉センターでは、食品関係営業施設の衛生検査や営業者を対象とした講習会を実施し食中毒の予防に努めています。
食品衛生に関する相談は
石川中央保健福祉センター食品保健課までどうぞ
石川県石川中央保健福祉センター食品保健課
電話(076)275-2253