「はしか(麻しん」について
はしか(麻しん)は、麻しん患者のせきやくしゃみのしぶき(これを飛沫といい、約1~2mの範囲内に飛び散る)の中に含まれている麻しんウイルスを吸い込むことによって感染します。
麻しんの感染力は強く、ウイルスを直接あびた場合だけでなく、空気中をただようウイルスを吸い込むだけでも感染します。
具体的には、教室や体育館などの閉鎖された空間で 1人が麻しんを発症すると、その場に同席していた児童生徒・職員に感染し、免疫を持っていない人は90%以上の確率で発症すると考えられています。
一般的な症状としては、全身に発しんが現れ、高熱を伴いますが、重症化(麻しん性肺炎・脳炎など)し、死にいたることもある恐い病気です。
- はしか(麻しん)ワクチン未接種の方は予防接種を受けてください。
(1)わが国の予防接種は、「予防接種法」という法律に基づき 予防接種が必要な疾患及び各々の予防接種対象年齢が決められています。
この法律に決められた範囲内での予防接種は、定期接種と言い、公費(無料)で接種を受けることができます。
麻しんの予防接種は、生後1歳時と小学校就学前1年の計2回接種します。1歳になったらなるべく早く受けるようにしましょう。
また、平成20年度からは5年間の期限付きで 中学1年生及び高校3年生相当の年齢の人も定期接種の対象でした。(これは、計2回接種にするための対応です。)
(2)定期接種年齢を過ぎてしまった場合も、明らかに麻しんにかかっていないお子さんについては、早めに予防接種を受けることをお勧めします。
学生・成人の方も、明らかに麻しんにかかったことがなく、麻しんの予防接種歴がない場合は、早めに予防接種を受けることをお勧めします。
(定期接種の年齢以外の方は、任意接種(有料)となりますのでご注意下さい。)
(3)生後1歳以前は、母親からの移行免疫があり、予防接種を受けても効果が充分に発揮されない恐れがあるため、法律では、生後1歳からとなっています。
しかし、生後6カ月以後は、移行免疫が減少するので、麻しんにかかる可能性があります。乳児は、しばしば重症になりますので、保育所入所など、感染の機会が増える恐れがある場合は、予防接種を受けることも可能なので主治医とご相談下さい。
ただし、この場合1歳以前の接種の効果があがらなかった可能性を考慮して、1歳以降にもう一度接種することが必要です。
(1歳以前の接種は、任意接種(有料)となりますのでご注意下さい。)
- もし予防接種を受けていない方が、はしか(麻しん)の患者さんと接触した場合、はしか(麻しん)にかかる可能性があります。
しかし、接触してからでもはしか(麻しん)の予防接種やガンマグロブリンを用いて、発病を防いだり かかっても軽症化することが可能である場合がありますので、接触したことがわかった場合、至急主治医にご相談下さい。
- はしか(麻しん)にかかった場合は、接触してから10日~14日後に38度くらいの発熱で病気が始まります。
初めのうちは、普通の風邪と区別がつかず、3~4日後に発しんが出て、はじめてはしか(麻しん)と診断されることがよくあります。
(発しんが出ていなくても、発熱があった時点には人にうつります。)
そのため、近くで流行していて うつった可能性のある方は、医療機関を受診する際には窓口で「”はしか(麻しん)”がはやっているので、”はしか(麻しん)”かもしれません。」とひとこと言っていただきますようお願いいたします。
他のお子さんへうつすことを防ぐためです。
子どもたちを守るために
- はしか(麻しん)にかからないように
- もし、うつっても発病防止または軽症化するように
- そして、発病してしまっても更に周囲にうつすことを防止するように
以上1・2・3を参考に皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
なお、大人の方も必要な方は予防接種を受けるようにして下さい。