ホーム > 連絡先一覧 > 白山自然保護センター > 白山のライチョウ
ここから本文です。
白山で70年ぶりに確認されたライチョウ(平成21年10月26日)
白山のライチョウについて、江戸時代のいくつかの古文書には山に登った時に出合ったライチョウの話が見た場所や具体的な特徴などをあげて書いてあります。当時、ライチョウは霊鳥だったこと、雷よけや魔よけなどとして羽が売買されていたことなども記録にあることからすると、白山の代表的な鳥として一般に知られていたようです。
文献や古老の話などから、明治から昭和の初期までは、確実に生息していたようで、剥製も残っていますが、昭和20年代以降は確実な記録は見られなくなります。近年の現地調査でも全く記録がありませんでした。
白山産とされるライチョウの剥製(石川県立自然史資料館所蔵)
ライチョウは、日本に氷河のあった寒冷な時代に大陸から渡ってきたものが、その後大陸とは海で隔てられ、また温暖な気候となってやむなく高山へのがれて生き残った“生きた化石”と言われる鳥です。本州での現在の分布地は朝日岳から穂高岳にかけての北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、甲斐駒ヶ岳から光岳にかけての南アルプスなどとなっており、白山はこれらの生息地から遠く隔てられているので、飛んでくるのも容易ではないと考えられます。
ライチョウは代表的な北方系の鳥類で、その仲間はロシア北部、アラスカ、カナダ北部、スカンジナビア半島などに生息しています。より南の地域では、高山などの寒冷地にのみ分布し、その中で日本の高山に生息するものが南限です。
白山で70年ぶりに確認されたライチョウ(平成21年6月2日)
平成21年6月1日(月曜日)午前中に白山自然保護センターに、一般の方から白山で5月26日(火曜日)にライチョウらしい鳥を撮影したという情報が写真とともにメールで送られてきました。送られてきた写真はライチョウそのもので、当センターではすぐ、現地調査を行うことを決定しました。翌6月2日(火曜日)に当センター職員が白山へ登り、現地調査を実施したところ、午前11時35分頃にライチョウの雌1羽を確認しました。
その後、約30分にわたる観察では、ライチョウは採食と移動を繰り返しており、食べ物はガンコウランやコケモモ等でした。
ガンコウラン |
コケモモ |
このライチョウは、その後白山自然保護センターや環境省により食性や行動、DNA調査が行われ、抱卵行動をしたこと、北アルプス由来であることなどが分かりましたが、平成28年4月の登山者の目撃を最後に確認されなくなりました。
白山自然保護センターからのお願い
白山自然保護センターでは、ライチョウの目撃情報を収集しています。白山でライチョウを目撃した時や、情報をお持ちの方は当センターまでご連絡下さるようお願いします。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
同じ分類から探す