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更新日:2023年9月5日

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市ノ瀬いちおしスポット

猿壁からの展望

 市ノ瀬から白山公園線を白山登山口の別当出合方向へ車を走らせると、標高1,000m付近で突然180度視界が開ける場所があります。「猿壁」と呼ばれる絶壁で、ここを横断する車道から手取川源流部の柳谷が眼下に見通せます。谷の右側は別山へと連なる長大なチブリ尾根、左側は急斜面が谷に落ち込む白山(越前)禅定道の険しい尾根が広がり、そして正面には別山と南竜ヶ馬場を結ぶ標高2,000mを超える稜線がそびえ連なります。白山の主峰、御前峰も禅定道の尾根越しにちらりと見えます。2つの尾根はいずれもブナを中心にした広葉樹に覆われ、春の新緑、秋の紅葉が訪れる人の目を奪い、奥深い白山のふところを車窓から堪能できます。ただ猿壁部分は道幅が狭いため、車を止める場合は少し先の道幅にゆとりのある場所にして下さい。

猿壁からの展望
白山のふところを一望できる猿壁からの展望


尾根越しに顔をのぞかせる御前峰

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岩屋俣谷園地のブナ林

 岩屋俣谷園地の上部に美しいブナ林があります。市ノ瀬ビジターセンター前の登山口から白山展望台を経て約1時間、案内図で「分岐」と記された場所に着きます。標高1,202m。周辺は平坦地で、見事なブナ林が広がり、道標と大きなベンチがあります。春の新緑、今の時期は黄葉に包まれ、急坂のつらい上りも報われます。ここから約20分で白山パノラマ展望台の大眺望も楽しめます。帰りは「分岐」から同じ道を歩くよりブナ林の中を通る周回路を利用するのも変化があってよいでしょう。

 

周回路黄葉のブナ林
周回路の黄葉のブナ林

周回路新緑のブナ林
周回路の新緑のブナ林

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市ノ瀬野営場

 市ノ瀬ビジターセンター裏手に広がる市ノ瀬園地の中央に市ノ瀬野営場があります。登山客の利用が中心ですが、家族連れのキャンプも見られます。キャンプはしなくても、野営場のベンチや芝生に腰を下ろしての休憩や自然観察もおすすめです。周辺は大きなドロノキやニセアカシヤが木陰を作り、遊歩道も整備されていて、季節ごとの花などが楽しめます。野営場から見える帽子のような形の山は六万山で、ブナが多く、春の新緑、これからの紅葉が見事です。白山釈迦岳も望めます。

市ノ瀬野営場
白山釈迦岳を望む市ノ瀬野営場

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釈迦岳・六万山方面

 市ノ瀬ビジターセンターから園地の吊り橋を渡って白山公園線の車道をしばらく進むと、約20分で白山釈迦岳と白山禅定道(旧越前禅定道)の共通登山口に着きます。ここから湯ノ谷林道との交差地点まで20分余りですが、この間は自然観察のほか、ちょっぴり歴史探訪もできる変化に富んだルートです。
入口の杉林を抜けると、登山道わきに、いつのころ植えたものか、カラマツの大木が1本そびえ立っています。近くには旧白山温泉に由来する旅館跡の石碑があり、澄んだ水が流れるせせらぎもあって、かつて人の暮らしがあったことをうかがわせます。ここから先は突然、原生林の趣となり、トチノキ、ブナ、ミズナラ、キハダなどの森となります。大木とごつごつした岩の間を縫って進み、少しきつい坂を上りきると、湯ノ谷林道へ出ます。
時間とパワーがあれば林道を横断して急坂を上ると、旧の越前禅定道です。六万山の美しいブナ林、ヒノキの大木のある檜の宿一之宮、そして白山頂上部が一望できる遥拝所の指尾(さしお)へと続き、かつての信仰登山の旧跡をたどります。

カラマツ1
登山道沿いにそびえるカラマツの大木

大木の森
ブナ、トチノキなどの大木が茂る森

山田旅館跡
ササに覆われひっそりと立つ旧白山温泉の山田屋旅館跡の石碑

コブブナ

幹に大きなこぶをつけたブナ

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チブリ尾根方面(下)大岩ーミズナラの水場まで

 前回ご紹介した「大岩」からさらに森の奥へ進みます。登山道沿いにはブナ、ミズナラ、トチノキ、サワグルミなどの高木がうっそうと茂り、いかにも深山に分け入ってきたという感じです。やがて登山道に覆いかぶさるようなカツラの巨木が現れ、あたりにこの木特有のキャラメルのような甘い香りが漂っています。進むにつれ次第にブナが多くなり、ブナの森が蓄えた水が小さな谷となって登山道を横切って流れ落ちていきます。大岩から約30分で「ミズナラの水場」(標高1,130m)に着きます。ミズナラの大木の根元付近から冷たい水が湧き出しており、年中枯れることはありません。原生林の真ん中で、のどを潤し、腰を下ろし、森の空気を胸いっぱいに吸い込めば、身も心も白山の大自然に溶け込んでいくような気がします。
市ノ瀬からここまでおよそ1時間半。市ノ瀬散策の原生林コースとしてご紹介しましたが、実を言うとここから先こそがチブリ尾根の核心部となります。高い木はブナだけの見事なブナの純林が広がっています。ぜひ、訪ねてみて下さい。

カツラの巨木
登山道沿いにあるカツラの巨木

ブナの森の水
ブナの森から流れ落ちる水

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チブリ尾根方面(上)登山口ー大岩まで

 チブリ尾根は市ノ瀬から別山に連なる長い尾根の名称で、別山市ノ瀬道が通っています。市ノ瀬ビジターセンターから登山口まで歩いて約30分。登山道に一歩足を踏み入れると、いきなり巨木の生い茂る原生林が広がります。木々のこずえが空を覆い、木漏れ日の差す林内は空気もひんやり。手つかずの自然がこんな身近にあることは白山国立公園の自慢の一つです。チブリ尾根一帯は自然公園法の特別保護区に指定され、草木1本傷つけてはいけない聖域となっています。ルート全体がいちおしスポットと言え、1回ではもったいないので、上、下2回に分けてご紹介します。

登山口からなだらかな上りで、登山道の周囲にはブナ、トチノキ、ミズナラ、カツラ、サワグルミなどの大木が並びます。3人抱え、4人抱えという巨木も多く、何百年という時を感じさせ、それだけでもうれしくなります。林床にはヒメアオキ、ハイイヌガヤ、エゾユズリハなど日本海側特有の低木が茂り、登山道沿いは今の時期、赤紫のアキギリの花に彩られます。足元にはトチノキやブナ、ミズナラの実も落ちています。ゆっくり歩いて約30分で、角ばった岩が座る「大岩」に着きます。ここで引き返しても白山の原生林の魅力を知るには十分ですが、次回(下)はさらに森の奥深く歩を進めてみましょう。

トチノキ

登山道沿いにある大きなトチノキ

 

大岩

「大岩」のある場所。ブナ、トチノキ、キハダなどの大木に囲まれています。

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市ノ瀬の河原

 市ノ瀬ビジターセンター周辺で河原へ下りられる所はほとんどありませんが、その唯一といっていい場所がビジターセンター裏の市ノ瀬園地内にあります。直径1~2mもある大きな石がごろごろし、その間を早い流れが走り、手取川の源流部の景観を見せています。上流を眺めると白山の別山に連なる稜線が見え、残雪のころ、「まるで上高地みたい」と言ったガイドウォーク参加者もいます。河原には古い時代の礫岩や火山性のものなど様々な岩石が観察され、地元で「爪石(つめいし)」と呼ばれる二枚貝の化石も見つかります。中には洪水で破壊され運ばれてきた砂防堰堤のコンクリート塊もあって、自然の力の凄まじさも感じさせられます。

大きな石

大きな石がごろごろした河原。水に触れることもできます

 

爪石

河原で拾った「爪石」

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白山展望台

 紹介が遅れましたが、岩屋俣谷園地の白山展望台は何といっても市ノ瀬のいちおしスポットです。市ノ瀬ビジターセンターから歩いて30分足らず。あずまやからは白山主峰の御前峰(ごぜんがみね、標高2,702m)をはじめ大汝峰、白山釈迦岳が目の前に迫ります。ここよりもっと上にあるパノラマ展望台までは足に自信がないという方にも手ごろで、ガイドウォークに最も利用されるのもこのコースです。

白山展望台

白山展望台のあずまやから望む8月の白山山頂部

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スリリングな森の木橋

 

 岩屋俣谷園地の観察路には小さな谷を渡る大小いくつかの木橋がありますが、中でもお勧めはこの橋です。橋の中ほどで「く」の字に曲がっているので仮に「くの字橋」と名付けましょう。長さ20m、橋脚は材木組みで橋板の幅は80cmと狭く、緩い傾斜もあって、ちょっとスリリング。雨で濡れている時は足を滑らさないよう特に注意が必要です。木漏れ日がちらちら揺れる樹林の中にあり、傍らには朽ち枯れた大木もあって深山の趣です。橋の下を流れる谷川の水は上流のブナ林から湧き出しており、夏でも涸れる事はありません。谷川沿いにはエゾアジサイ、タマアジサイ、クサアジサイ、モミジガサ、トリカブトの仲間、ヤグルマソウなどが茂り、植物観察にも面白いスポットです。

くの字橋

「くの字橋」 

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珍しい「雪室」

 市ノ瀬ビジターセンターの裏手に雪を貯蔵する「雪室」の跡があります。直径5m、深さ3.1mの大きな穴で、石とコンクリートで造られています。センター前にある永井旅館が昭和30年前後に設置、電気冷蔵庫を使い始めた同35年ごろまで使われていました。この雪室は毎年3月ごろに中に雪を詰め、おがくずで覆った後、かやぶき屋根を掛けていました。詰められた雪は夏に切り出して木製冷蔵庫の保冷に使われたそうです。県内に氷室の跡は多くありますが、いずれも素掘りなのに比べ、この雪室は築造法でも珍しく、山間部ならではの生活の知恵を伝えています。雪室跡はビジターセンターのテラスからよく見えます。

 

 

雪室

「雪室」  石とコンクリートで造られています

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白山眺望スポット

 市ノ瀬ビジターセンターからは残念ながら白山の頂上部は見えません。ビジターセンターから30分ほど登ると白山展望台がありますが、歩くのは苦手という方にはビジターセンターから約500m白峰寄りの白山公園線沿いにある白山眺望スポットがお勧めです。白山主峰の御前峰(ごぜんがみね)と大汝峰を望むことができます。道路脇には車を止めるスペースがあり、展望スポットには手すりやベンチも備えられ、ゆっくり眺望が楽しめます。

白山眺望スポット

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炭焼き釜の跡

岩屋俣谷園地には昔の炭焼き釜の跡がいくつもあります。中でも大きな釜跡が園地の入口からほど近いところに残っています。頑丈な石組みを持ち、焚き口や煙出し(排煙口)もはっきり分かります。市ノ瀬の永井旅館の釜で昭和30年代まで使われていたそうです。ガイドウォークの際、参加者に釜跡であることを知らせず、半円形の石組みを指して「何の跡でしょうか」と尋ねると、「家があった」「氷室跡」「とりでの跡」など、なかなか正解は出てきません。岩屋俣谷園地は今うっそうと木が茂って原生林のようにみえますが、炭を焼いていたころは薪炭林として、もっと明るい山だったことでしょう。

炭焼き横

炭焼き釜跡の石組みを見るガイドウォーク参加者

 

 

炭焼き縦

釜跡を上から見ると。人の立っているところが焚き口、手前の黒い穴が煙出し

 

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花の林道

市ノ瀬から別山登山口へ向かう林道沿いは各種の花が次々と咲く“花の道”です。市ノ瀬ビジターセンターから600mほどの間。6月のタニウツギ、ササユリ、アカショウマに始まり、夏から秋へと、トリアシショウマ、ヤマブキショウマ、オニシモツケ、エゾアジサイ、クサアジサイ、ヨツバヒヨドリ、ソバナ、バイカウツギ、ホタルブクロ、クガイソウ、タマアジサイ、ハンゴンソウ、アケボノソウ、オオバギボウシ、ツリフネソウ、チョウジギク、アキギリ、サラシナショウマ、ハクサンカメバヒキオコシ、クロバナヒキオコシ、ミゾソバ、ダイモンジソウ、ハクサンアザミ、サワアザミなど、切れ目なく花が見られます。

岩屋俣谷橋への林道

足を運ぶ都度、新しい花が見られる“花の道”

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別当出合

白山登山はしなくても、登山口の別当出合の広場まで出かけてみませんか。別当出合駐車場から歩いて7、8分。休憩舎の前の広場には白山が信仰の山であることを物語る大鳥居や砂防新道へ続く長さ117mの吊り橋があります。そして真正面には2段に流れ落ちる不動滝が見え、霊峰白山の登山口にふさわしい趣があります。不動滝は雪解け水が豊富な今の時期が一番見ごたえがあります。休憩舎にはトイレ、水場もあり、そこでゆっくりするのもいいし、吊り橋を渡って少し登山道を歩いてみるのもよいでしょう。

別当出合の広場

大鳥居と吊り橋のある別当出合の広場 

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吊り橋の向こう

市ノ瀬園地のはずれに吊り橋があります。長さ64mもある立派なものですが、案外知られていません。橋の下には手取川の源流が岩をかみ、橋を渡った向こうには別山、大長山を展望できる素敵な休憩所や、モリアオガエルが産卵する池もあります。弁当を食べながらゆっくりしたい、ちょっとした穴場です。

吊り橋と休憩所

吊り橋と休憩所、右の茂みに市ノ瀬池があります

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白山パノラマ展望台

岩屋俣谷園地の最高地点(標高1,290m)にあり、白山の頂上部が一望できます。主峰の御前峰を中心に左に大汝峰、七倉山、四塚山、右に南縦走路の尾根から別山まで。展望台はブナ林の中の小さな平坦部に位置し、説明板とベンチがあります。ブナの大木が額縁のように景色を画し、絵の大作を鑑賞するかのようです。今の季節は残雪とブナの新緑のコントラスト、秋には紅葉、黄葉が見事です。市ノ瀬ビジターセンターから歩いて約1時間半で行く事ができます。

パノラマ展望台

白山パノラマ展望台から望む残雪の白山

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お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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