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金沢城石川門や三十間長屋の大きな特徴の一つは海鼠壁です。金沢城と相前後して建築された姫路城、松本城の外壁を比較してみます。
姫路城や松本城はさすがに国宝だけあって見事なものですが、ここで比較したいのは、金沢城三十間長屋の海鼠壁、姫路城の白漆喰総塗籠、松本城の黒漆塗り下見板です。それぞれが独自の美しさを競っています。金沢城では、石垣戸室石の赤と青、海鼠壁平板瓦の鼠色、壁漆喰の白、柱型や石落とし銅板緑青の緑や鉄板、鉛瓦の白、それぞれの配色が見事に調和しています。
海鼠壁は全国各地に見られ、倉敷では美しい町並みを形成しています。特に石川県の場合、降雨量が多いこと、及び冬期の積雪に対処するため、腰壁を海鼠壁にする合理性があったと思われます。
菱櫓等工事では、この海鼠壁の平板瓦貼りを、タイル・煉瓦職人が施工しています。工事は途中ですが、一部を紹介します。
写真は、平板瓦の裏面で敷きトロが付いた状態です。この瓦の仕様は、9寸角、厚み6分、焼成温度1,000度以上、吸水率12%以下です。昭和の石川門修理では奈良産を使用しましたが、現在、既存の瓦の成分を分析中で、今回使用する瓦の製作方法を検討中です。
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