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写真は、金沢城石川門(重要文化財)です。屋根が白くなっています。これは、屋根が鉛瓦で葺いてあるからで、腰の海鼠壁と併せて金沢城の大きな特色となっています。
窯業瓦でなく、鉛瓦で葺いてある建築物は、全国でもこの金沢城と、瑞龍寺仏殿(国宝、富山県高岡市、加賀藩主前田氏一代目利長の菩提寺)の二カ所だけです。鉛が白く見えるのは、大気中の二酸化炭素を溶かし込んだ雨水により鉛(塩基性炭酸鉛)が反応したためと考えられます。
なぜ、瓦に鉛が使用されたかについては、戦の時に鉄砲玉の材料にするため、屋根荷重を軽減して積雪等構造的に有利に働かすため、屋根荷重を軽減し大規模構造とし力を誇示するため、多雪多雨地域であるため耐久性のある屋根とし建築本体を保護するため、建物を美しく見せるため等、諸説があります。
石垣に使用されている戸室石の赤や青、海鼠塀の黒や鼠、漆喰壁の白、石落とし銅板の緑、鉛瓦の白、金沢城は色彩の美にこだわった城でもあります。
丸瓦棒先端に軒巴瓦を取り付けます。模様は梅鉢紋章です。
昭和の修理報告書の石川門調査結果によると、「葺き方は全て重ねて銅釘の野打ちであったが、釘が抜き上がるので、今度は縦を「ハゼ」掛けとし、横は重ねとし、」とあり、今回もこれによっています。
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